ニューヨーク — 最初は、単なる意思疎通の不備だった。

どうやら、ジャロン「ブーツ」エニスはヴァージル・オルティスとの対戦に関する2度目のオファーを断るつもりはなかったようだ。エディ・ハーンは最近、報道陣に対し、エニスが8月16日にサウジアラビア・リヤドでオルティスと対戦するオファーを受け入れていたことを明かした。

エニスのプロモーターは、エニスがいつオルティスとの154ポンド戦に合意したのかは明らかにしていない。しかし、それは重要ではなかった。なぜなら、ハーンはオルティスがその時期に試合ができる状態ではないと知らされていたからだ。オルティスは、手術を受けた右手の完全な回復をまだ待っている状況だ。

「8月16日にヴァージル・オルティスと対戦することに興味があるかと尋ねられた」とハーンは語った。「ブーツは“やる”と答えたが、ヴァージルは8月には試合ができない。しかし、年末に向けてのビッグファイトになるだろう。」

2024年末には、エニスが2月22日にリヤドでオルティスと対戦する機会を打診されていたことも明らかになっている。魅力的な話ではあったが、エニス（34勝0敗、30KO、1無効試合）は、147ポンドでの「やり残したこと」があると考えていた。

エニスは、4団体時代における2人目の完全統一ウェルター級王者になることを目指していた。しかし水曜日、彼はX（旧Twitter）上で、リング誌、IBF、WBAのウェルター級タイトルを返上し、ジュニアミドル級で戦うことを発表した。

その決断を下す前に、エニスは現役王者からタイトルを奪うという感覚を少なくとも一度は味わっていた。

フィラデルフィア出身のエニスは、4月12日にアトランティックシティのボードウォーク・ホールで行われた試合で、リトアニアのエイマンタス・スタニオニス（15勝1敗、9KO、1無効試合）を6ラウンド終了後にテクニカルノックアウトで下し、WBA王座を自身のコレクションに加えた。

エニスは階級を上げる前に147ポンド級にとどまり続けたことで批判を受けていた。しかし最終的には、それが彼自身にとっても、オルティスにとっても良い結果となった。

エニスはスタニオニスをストップし、統一王者となることでウェルター級での目標のひとつにチェックを入れた。一方、オルティス（23勝0敗、21KO）は、2月22日にリヤドでイスライル・マドリモフを判定で下し、自身のキャリア最大の勝利と言える結果を手にした。

マリオ・バリオス（WBC）とブライアン・ノーマン（WBO）がウェルター級のベルトを保持しているものの、エニスはもはやそのタイトルを追いかけることに興味を持っていなかった。

しかしジュニアミドル級では、エニスには数多くの選択肢がある。たとえば、7月19日にラスベガスで行われるティム・チュー対セバスチャン・フンドラの再戦の勝者を待つこともできるし、IBF王者のバフラム・ムルタザリエフに挑戦状を叩きつけることも可能だ

ハーンの見解では、オルティスとの対戦を含め、すべてがまだ流動的な状態だという。

試合を断るようなタイプではないオルティスだが、マドリモフ戦に勝利した後、右手の手術を受けるために手術室へと向かった。

最初に『ザ・リング・マガジン』が報じたところによれば、手術は無事に成功したものの、オルティスはいまだ回復途上にある。