エディ・ハーンは、ベン・シャロームとの舌戦をさらに激化させ、ボクサー所属のファイターたちがマッチルームへ移籍するため、個人的に自分へ電話をかけてきていると主張した。
マッチルームのボスであるハーンとシャロームは、ここ数カ月にわたり応酬を続けてきたが、週末に事態は一層緊迫した。というのも、ボクサーが
BBCで初めて開催した興行が、同夜に
バーミンガムで行われたマッチルームの興行と重なったからである。
シャロームはハーンについて「自分の立場に不安を抱いている」と発言し、さらにマッチルーム創設者で77歳のバリー・ハーンの息子であることを引き合いに出して、「父親の下で働く50歳の男」と揶揄した。加えて、
『ザ・リング・マガジン』のインタビューでは、ハーンは「自分のブーツの靴ひもを結ぶ資格すらない」とまで言い放った。
これに対し、現在46歳のハーンは反撃に転じ、ボクサーのファイターたちが今なおマッチルーム移籍について個人的に連絡してきていると示唆した。
土曜日の夜には、ベン・ウィテカーがマッチルームのバナーの下で初めて試合を行った。ウィテカーはそれまでプロ10戦すべてをボクサーで戦ってきたが、ハーンは同様のケースが今後さらに続く可能性があると語っている。
「私は、彼に反応して“酸素を与えない”などと言うような人間ではない」とハーンは水曜日に『ザ・リング・マガジン』へ語った。「私は常に言い返すし、自分の意見も必ず述べる。
彼の戦略は理解できる。なぜなら、私が彼の立場でもまったく同じことをするからである。正直に言って、彼の口から出る言葉で、私を攻撃する以外にエキサイティングでも娯楽性もあるものなど何一つない。私は彼を責めない」
「だがその一方で、彼と仕事をしているファイターたちが、次々と私に電話をかけてきて『マッチルームに加入する方法はないのか』と言ってくる。だから彼は、自分のファイターたちを売り出すことに集中すべきだ」
シャロームとは対照的に、ハーンはこれまで地上波テレビとの放映契約を一度も結んだことがないが、それでもマッチルームのボスは、BBCとの新契約によってシャローム側が「興行ごとに数十万ポンド規模の損失を垂れ流す危険性がある」と考えている。
「これは本当の意味で大きな金が動く放映権契約ではない」と、ハーンはBBCにおけるボクサーについて語った。「それでも、良いプラットフォームではある。
問題は、興行を打つたびに数十万ポンド単位で資金を失い続けるという点だ。つまり、その損失を補填するために、どれだけ多くの投資家を呼び込み続けられるかが最大の課題になる。
毎週、興行を行うたびに金を失い続けていれば、いずれその資金は枯渇する。だから私は、彼らが主張しているように“月に1度の興行”を継続できるとは思っていない。彼らが抱えている最大の問題は、事実上、彼らがマネジメントしている有力ファイターのほぼ全員が離脱を望んでいるという点である。
それはすなわち、彼らを大きな試合に出場させなければならず、しかもそのコストは非常に高額になるということだ。天才でなくとも、ファイターに支払うファイトマネーと、BBCの興行で生み出される収益とを比較すれば、ビジネスとして成り立たないことは明白である。
少しは非情にならなければならない。時には、自分たちの資金力や運営能力に対してあまりにも高くつくファイターを手放さなければならないこともある。
もし、ただ自尊心だけでこのビジネスをやっているのなら、金を失い続けるだけだ。そして、気が付けばすべてが終わっているだろう」