デビン・ヘイニーは父でありトレーナーでもあるビル・ヘイニーと共に、2024年4月20日に起きた出来事が単なる偶然だったことを証明しようとしている。

その日、ヘイニーはブルックリンのバークレイズ・センターでライアン・ガルシアに3度のダウンを喫し、マジョリティ・ディシジョンで敗北を喫した。しかしその後、ガルシアが試合前のドーピング検査で陽性反応を示したため、この結果はノーコンテストに覆された。とはいえ、一部では「ダメージはすでに残った」と見る声もある。

その過去を完全に払拭するため、ヘイニー（32勝0敗、15KO）は階級を上げ、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催される『Ring IV』のセミメインイベントでブライアン・ノーマンと対戦する。WBOウェルター級王者であるノーマンは、直近3試合連続でKO勝利を収めており、6月には佐々木尽を相手に「年間最高KO候補」とも評された勝利を飾っている。

それでも、圧倒的なパワーを誇る相手に対しても、ヘイニー陣営は特に動じていない様子である。マッチルーム代表エディ・ハーンはこの件について言及し、彼らの強気な発言の裏に不安を感じ取っていると語った。

「問題なのは、デビン、特にビルが“被弾すること”を非常に気にしている点だ」とハーンは複数の記者に語った。「強いパンチを持つ相手と戦うときに“パンチをもらいたくない”というのは非常に悪い状況だ。ビルは彼に一発ももらわせたくないと思っている。彼らはパンチ耐性に懸念を抱いているんだ。でも147ポンドで戦う今のデビンは、肉体的にはとても良い状態に感じるはずだ」。

5月2日にホセ・ラミレスと143ポンドのキャッチウェイトで戦った際、ヘイニーは本来の自分らしい動きを見せられなかった。

普段よりも慎重な戦いぶりであった。結果的には勝利を収めたものの、ハーンはガルシア（24勝2敗、20KO）戦での“悪夢の夜”を完全に乗り越えたとは思っていない。

今回のノーマン（28勝0敗、22KO）戦に関して、ヘイニーは「勝つための手段は一つではない」と自信を見せているが、ハーンはこの試合の展開を2通りしか想定していないという。

「デビンが圧倒的に簡単に勝つか、もしくはノックアウトされるかのどちらかだと思う」と彼は述べた。