ジャイ・オペタイアは恐れられる男だが、その圧倒的な恐怖感こそが、
デイビッド・ベナビデスを惹きつけてやまない。
2025年はここまでベナビデスにとって非常に順調だ。まだ半年を残しているが、すでにデビッド・ニイカと
先週末のクラウディオ・スクエオという2人を相手に連続ストップ勝ちを収めている。どちらも見事な内容で、とくに後者は凄まじく暴力的だった。
オペタイア(28勝0敗、22KO)がIBFおよびThe Ringクルーザー級王座の防衛を5ラウンドTKOで決めると、会場のオーストラリア人ファンは総立ちとなって歓声を上げた。彼の試合は常に支配的で、驚くことではないが、試合後すぐにヒルベルト“
スルド”ラミレスを次の対戦相手に指名した。
しかし現在その試合は現実的とは言えない。ラミレスは2023年11月に元王者クリス・ビラム=スミスとの激闘を制してWBAとWBOのタイトルを統一し、6月28日には元王者ユニエル・ドーティコス(27勝2敗、25KO)との対戦が決まっている。
パートナーのいないダンスフロアは、どこか寂しいものだ。しかし、世界中を見渡しても、オペタイアと対戦することを望むクルーザー級の選手は多くない。そんな中で、デビッド・ベナビデス(30勝0敗、24KO)は、どうやら彼の動向に目を光らせていたようだ。両者の階級には約25ポンドの差があるものの、WBCライトヘビー級王者であるベナビデスは、その点についてまったく気にしていない。
最近のベナビデスは、どこか苛立ちを見せている。ビッグマッチの舞台を何度か経験してきたものの、本来もっと多くの大舞台に立つべきだったと感じているからだ。
カネロ・アルバレスとの対戦は実現せず、
ドミトリー・ビボルや
アルトゥール・ベテルビエフとの対決も、いまだに具体的な動きがない。
選択肢がほとんど残されていないなかで、ベナビデスは168ポンド時代と同様に、175ポンドのライトヘビー級にも苛立ちを感じ始めている。もしアルバレス、ビボル、ベテルビエフがそれぞれ別の道を選ぶのであれば、
カラム・スミスのような名前が現実的な選択肢になってくる。ベナビデスにとって理想的な選択肢が見当たらないなか、彼は型にはまらない発想をし始めている。最近オペタイアが相手を圧倒した試合を見て、ベナビデスは大声で歓声を上げた。クルーザー級への転向はやや早い印象もあるが、オペタイアとの対戦が実現可能であれば、ベナビデスは全面的に乗り気だ。
「この試合を実現させよう」と、ベナビデスは自身のSNSに投稿している。