土曜深夜、カリフォルニア州コマースのカジノで行われた試合で、マイカル・フォックスは善戦したものの、最終的には
セルヒー・ボハチュクが僅差ながら判定勝ちを収めた。ジャッジ2人が97-93、残る1人は98-92と採点し、ボハチュクのユナニマス・ディシジョン(3-0の判定勝ち)となった。
フォックスは、どの階級で戦うにしても、常に上位選手の中では長身の部類に入る。土曜日の試合でも、その体格的優位性を最大限に活かそうと努めていた。
第1ラウンド、セルヒー・ボハチュクはマイカル・フォックスの身長(6フィート3インチで約191cm)とリーチ(81インチ=約206cm)のアドバンテージをまったく意に介さず、開始直後から前に出てプレッシャーをかけた。この積極的な攻めに、手足の長いフォックスは出鼻をくじかれ、最初の3分間は必死に応戦するも、序盤のポイントを落とす展開となった。
第2ラウンドでもボハチュクは圧力を緩めず、フォックスのボディを攻め、接近戦を強いることで相手に居心地の悪さを感じさせた。
第3ラウンドも同様に、ボハチュクは巧みに攻撃のバリエーションを織り交ぜた。フォックスはこの圧力に押し潰されそうな様子を見せたが、コーナーからの厳しい指示を受けて立て直しを図った。
第4、第5ラウンドに入ると、フォックスは距離を取ったボクシングに切り替え、長いジャブでボハチュクを押し返すようになった。ただし、パンチに強さはあまりなく、ボハチュクは再びプレッシャーをかける形で前に出る余裕があった。
試合序盤、フォックス(24勝5敗、5KO)は下がりながらボハチュクに密着される形を許していたが、後半に入ると回り込みながら角度を変えて戦うようになった。
30歳のボハチュクにとって、フォックスが仕掛ける複雑で厄介なパズルを解くには時間がかかったが、試合の後半にはその全体像を把握し、試合をコントロールしていた。
特に第7ラウンドでは、セルヒー・ボハチュク(26勝2敗、24KO)が本領を発揮し始めた。試合展開はこれまでと似たパターンで始まった。フォックスはジャブと角度を使って相手のバランスを崩そうとした。しかし、フォックスが一定の方向に動くと、ボハチュクも同じ方向に追いかけて調整を加えるようになった。この対応と、さらにボディへの攻撃を増やしたことで、最終的にフォックスの動きは鈍くなっていった。
最終ラウンドでは、フォックスがよりアグレッシブな姿勢でコーナーから出てきたが、ボハチュクはそれに自らの攻撃で応戦した。
両者とも最後のゴングまで戦い抜いたものの、勝者としてリングを後にしたのはボハチュクだった。現在、彼はフォックスのような長身でやりにくい相手に勝利したことが、将来的にWBC世界154ポンド王者セバスチャン・フンドラとの試合、そして勝利へとつながることを願っている。