ロンドン(イングランド)発――
コナー・ベンは、ライバル一家との因縁に終止符を打ち、家族として初の勝利を掴むため、
クリス・ユーバンク・ジュニアとの再戦に向けてトレーニングキャンプの計画を変更した。
4月26日にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われた激しい12ラウンドの戦いでは、
ミドル級へ階級を上げて挑んだベンに対し、判定で勝利を収めたのはユーバンク・ジュニアだった。
1990年代にクリス・ユーバンク・シニアがコナー・ベンの父ナイジェル・ベンと2度対戦し、1勝1分だったことを踏まえると、ベン一家はおよそ35年にわたりこの因縁で勝利を挙げていないことになる。
しかし、29歳の“デストロイヤー”ことベンは、今回のトレーニングキャンプを母国で行うことを決意。その理由は、11月15日にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで開催され、
DAZNで生中継されるこの一戦の「重大さを肌で感じる」ためだ。
「キャンプ期間を8週間に短縮して、すべて自宅で行っている」とベンは
「ザ・リング・マガジン」に語った。
「この試合の重大さを感じたかったんだ。別の国に行って姿を消すようなことはしたくなかった。自分の土地にある別棟に、チームと一緒に籠ってトレーニングキャンプを張っている。」
初戦の際、ベンとチームはマヨルカ島に拠点を移した。そこは彼が幼少期の約12年間を過ごした馴染み深い場所だった。チームは準備に一切の妥協を許さず、当時のIBFスーパーミドル級王者
ウィリアム・スクールとの悪名高いスパーリングも行った。スクールは数ラウンドでギブアップしたと非難されたことで話題となった。
しかし、今回はエセックスにある自宅敷地内の別棟に滞在し、家族の家からわずか数メートルの距離で、妻ヴィクトリアと2人の子ども――イーライとアイドニー――と貴重な時間を過ごしている。
「前回とはまったく違うけど、たとえ数分でも子どもたちの顔を見られるのが嬉しい」と彼は語った。「息子が駆け寄ってきて、『パパ、クアッドバイク乗っていい?』とか『パパ、ここで寝てるの?』なんて聞いてくるんだ。」
「子どもたちとはあちこちでちょっとした時間を共有するんだ。『早くこっち来てハグして』って呼んだり、娘のところに走っていって抱きしめたり。そんな瞬間を逃す理由なんてないだろ。」
「子どもたちが俺の顔を見るたびに見せるあの表情は、何ものにも代えがたい。そして俺は言うんだ、『パパがこうして頑張ってるのは、全部お前たちのためなんだよ』って。」
しかし、4月の激闘を経て、両者の間には新たな敬意が芽生え、それがより落ち着いた現在のベンの姿につながっている。
「俺は相変わらずの俺だよ」と彼は苦笑しながら言った。「まあ、性格は変わらないけど、今回は本当に気持ちが違うんだ。すごく落ち着いていて、リラックスしている感じがする。」
「前回は本当に緊張していた。あの張り詰めた空気は、ナイフで切れるほどだった。あのときの自分の状態を例えるなら、ちょうど発進寸前のクアッドバイクみたいなものだ。いつ爆発してもおかしくない火山みたいで、試合前にあんな感覚を覚えたのは初めてだった。」
「今回は、奴のことを今でも好きじゃないが、もう相手がどういう男かは分かっている。」
ユーバンク・ジュニア(35勝2敗、25KO)は、ベン一家に対して通算3勝目、そして自身にとって2連勝目を目指し、
ブライアン・「ボマック」・マッキンタイアを新たにチームへ迎え入れた。一方、若き対戦相手であるベンは、エセックスでいつも通りのルーティンを崩さずに調整を進めている。
トニー・シムズがこれまでと同様にベンのキャリア全体を通してチーフトレーナーを務め、ダン・ローレンスが今回も連続してミドル級での2戦目となる試合に向けたストレングス&コンディショニングを担当する。
147ポンド級で強打者として知られるベンだが、現在は3試合連続で判定決着が続いている。2023年9月にはロドルフォ・オロスコに10ラウンド判定勝ちを収め、その後ピーター・ドブソン戦ではフルの12ラウンドを戦い抜き、圧倒的な3-0の判定勝ちを飾った。
ユーバンク戦は、これまでのキャリアの中で最も過酷な試合となったが、ベンはキャンプでのトレーニングがあったからこそ最後まで戦い抜けたと語る。判定は3者とも116–112でユーバンクに軍配が上がったものの、彼にとって大きな意味を持つ一戦だった。
「本気で、3〜4ラウンドでノックアウトできると思っていた」とベン(23勝1敗、14KO)は語った。
「その予想をしたとき、冗談でも気まぐれでもなかった。本気でそう信じていたんだ。」
「ノックアウトするつもりで準備していたけど、最後まで戦い抜けたのは、常に最高のコンディションを維持しているおかげだ。キャリアの中で12ラウンドをフルで戦ったのはこれまで2回だけだが、あの時は15ラウンドでもいけると感じた。スタミナには一切不安がない。」
「俺は常に厳しく、そして真摯に準備する。その姿勢は今回も変わらない。」