クリス・ユーバンク・ジュニアは、4月に行われた
コナー・ベンとの初戦に父クリス・ユーバンク・シニアが“金を受け取って来場した”という主張について、ライバルであるベン本人とその父ナイジェル、さらにプロモーターのエディ・ハーンを強く批判した。
ユーバンク・シニアは、今年春の試合週に行われたプロモーションイベントには一切姿を見せなかった。しかし、長年親子で口をきかなかった状況にもかかわらず、試合当日の数時間前、突如として息子と共に会場へ現れ、大きな驚きを呼んだ。その出来事は、今年のボクシング界を象徴する“バイラル・モーメント”の一つになった。
トッテナム・ホットスパースタジアムで行われ、
ユーバンク・ジュニアが激戦の末に3-0の判定勝ちを収めた初戦の後、一部ではユーバンク・シニアが“金銭的なインセンティブ”を受けて来場したのではないかという示唆がなされていた。
だが、11月15日にDAZN PPVで生配信される再戦を2日後に控えた木曜の記者会見で、“ネクスト・ジェン”ことユーバンクジュニアは、チーム・ベンとハーンから出たとされるこの主張を改めて強く否定した。
ユーバンク・ジュニアは言った。
「まず最初に、どうしても言っておかなければならないことがある。
エディ、コナー、ナイジェル。ここ数カ月、あなたたちは俺の父が4月に“出演料”を受け取って来場した、というような話をまき散らしてきた。まったくの嘘だ。普通に物を考えられる人間なら誰だってそんな話はあり得ないと分かる。俺の父と俺に対しても失礼極まりないし、あたかもサウジの関係者がそんなことをしたかのように示唆するのは彼らに対しても不敬だ。ここでハッキリさせておく。そんなことは一切ないし、彼ら(ベン陣営)は世間に嘘をつくのをやめるべきだ。」
この日、2019年12月のマット・コロボフ戦以来となる父子揃っての壇上となったユーバンクSrも、当然ながらこの主張を否定した。ただし、彼にしかできない“ユーバンク・シニア節”での反論だった。
「私に金を払うことなどできん」と、彼の“説法”は始まった。
「私は“心”のためにここにいる。愛のためにいる。私がキャリアを通じて貫いてきたもの——忍耐、優しさ、妬まず、誇らず、自慢せず、無礼を働かず、自己中心的にならず、怒りに支配されず、悪意を記録しない。キリストの意識だ。
ナイジェルよ、誰かが『金を払った』などと言ったらしいが、それはお前に嘘をついたのだ。その嘘をそのまま口にすれば、お前も“嘘つき”になる。誰がそんな話を吹き込んだのか明らかにし、自分の名誉を正せ。でなければ……これから誰がお前の言葉を信じる?
私は常に正しい道を歩み、戦うべき戦いを戦い、レースを走りきり、信念を守ってきた。そして今、義の冠が私を待っている。それは私だけでなく、主の再臨を切望するすべての者に授けられる。真に長く愛される“エンターテイナー”とはそのように生まれるのだ。
……ラスタファリよ。」
チーム・ベンは、ユーバンク陣営の発言に対して反応することを避け、ハーンは記者会見中一切発言せず、マイクが向けられた際には冗談めかして“プラカード”を掲げて対応した。
ユーバンク・ジュニアはさらに、ハーンのマッチルームが自分の警備責任者であるアイヴァンを試合当日の会場入りから“締め出した”とも非難した。
これに対しハーンは、“フェイクニュース”と書かれた札を掲げて返した。
この日の会見では、その他はほとんど語られることはなく、両陣営の間で
35年続く因縁の積み重ねを思わせるように、減量契約や妨害云々といったお決まりの論点が少し触れられる程度だった。
ベンは、4月に“ユーバンク・ジュニアの魂を奪った”として今回も勝利を確信している。一方のユーバンクJrは、「今回はもっと楽に終わる」と語った。
「(ユーバンクは)3日間入院したんだぞ」とベンは言う。「彼はワークレート(手数)、粘り強さ、パワー、経験——全部すごかった。正直驚かされたし、思っていた以上に強い選手だった。でも土曜日、俺はその残りを全部取りに行く。」
ユーバンク・ジュニアは、会見をいつものように締めくくった。
「手続きは議会方式で行う。」