チームスポーツでは「トラップゲーム」(油断による落とし穴的試合)がよくある。
The Ring、WBA、WBC、WBOスーパーミドル級王者のカネロ・アルバレスにとって、無名のIBF王者ウィリアム・スクールはまさにトラップ的存在だ。とくに、テレンス・クロフォードとの9月のビッグマッチが控えている今、危険な相手である。
スクールは、
5月4日(北米では5月3日)にサウジアラビア・リヤドで行われるDAZN PPVで、スーパーミドル級4団体統一王座を懸け、ボクシング界の顔ともいえるアルバレスに衝撃を与える可能性がある。もしもスクールが勝てば、計画は狂う。
しかし、約マイナス4000の大本命とされるアルバレスがキューバ人のスクールを難なく突破すれば、次なる挑戦者はクロフォードとなる。
クロフォードはすでにアルバレス戦に向け準備を進め、アンダードッグ(下馬評の低い側)の役割を受け入れており、
最近の『ザ・リング・マガジン』のインタビューでは、2階級上げての対戦でもサイズ差は問題ないと語った。
だが、アルバレスはクロフォードの発言に大きな意味を感じていない。
「誰だって俺とリングに上がるまでは自信満々だ」とアルバレスは『ザ・リング・マガジン』のインタビューで語った。「もちろん違う展開になる。彼は偉大なファイターだ。でも俺も偉大なファイターだ。その試合を通じて、誰が最高かを確かめることになる。」
ただし、アルバレス(62勝2敗2分、39KO)が、昨年アルバレスがIBF王座を返上したことで空位となり、ウラジミール・シシキンを倒して王者となったスクール(23勝0敗、9KO)を突破できなければ、この一戦は実現しない。
スクールはシシキン戦の前、約1年前にアルバレス対ハイメ・ムンギア戦のアンダーカードでノンテレビ放送の8回戦を戦っていた。
「見てくれ、ドミトリー・ビボルと戦ったときだって、誰も彼のことを知らなかった」とアルバレスは語った。「集中する必要があるのはわかっている。ウィリアム・スクールはいいファイターだ。何が起こるかわからないから、すべてに備える必要がある。でも、俺にとっては特別なことじゃない。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。X(旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。