アルバレスとスクールは合計445発しかパンチを繰り出さず、12ラウンド制試合におけるパンチ数の最低記録を更新した。これはCompuBoxの統計によるものである。
ボクシングという競技は独特で、ファンや評論家はスタッツを分析して無限に議論を重ねるが、実際にロープの中で何が起きているかを真に理解しているのは選手自身だけである。とはいえ、数字の信ぴょう性を問うか否かにかかわらず、アルバレスの攻撃回数の少なさと、
スクールの消極的な姿勢はどちらも際立っていた。
34歳となったアルバレスの精彩を欠いた内容は、
スクールの脅威レベルが低かったせいか、あるいは長年のダメージが蓄積された結果かもしれない。しかし、長きにわたるキャリアで数々の名選手を見出してきたウォーレンは、対戦相手の見極めにおいて最も優れたプロモーターの一人であることを証明してきた。
そのウォーレンが、アルバレス(63勝2敗2分、39KO)が自身の主力選手のターゲットになりうる兆候を見たと語っている。
「かなり接戦だったと思うし、正直なところスクールにパンチ力があれば、勝てていたかもしれない試合だった」とウォーレンは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
「20年もプロで戦ってきたアルバレスは、子供の頃からずっとボクシングを続けてきた。彼を見ていて、ふと思ったんだ。『ハムザ・シェラーズがエドガー・ベルランガに勝てたら、カネロにもチャンスあるんじゃないか』とね。」
シェラーズ(21勝0敗1分、17KO)は、7月12日にニューヨークでベルランガ(23勝1敗、18KO)と対戦する予定で、この一戦はDAZNが中継する
『The Ring』誌主催の第3弾イベントとなる。
シェラーズは2月にWBCミドル級王者カルロス・アダメスとの一戦で辛うじて引き分けに持ち込んだが、身長6フィート3インチの大型フレームを160ポンド(ミドル級)に落とすことがパフォーマンス低下につながっていると認め、即座にスーパーミドル級への転向を発表した。
彼は、新階級での初戦に自信をつけるための調整相手を慎重に選ぶのではなく、昨年9月にアルバレスとの一戦で判定負けを喫し、それまでの無敗記録に終止符を打たれた27歳のベルランガとの直接対決を選んだ。
『The Ring』誌のスーパーミドル級ランキングで9位の
ベルランガは、アルバレス戦における前哨戦で強気の発言を繰り返し、初の本格的なステップアップ戦でそれなりの評価を得た。経験不足が露呈し、老練なアルバレスに有効打を与える場面は限られたが、それでも試合終了の鐘が鳴るまで、堂々とメキシコのレジェンドと拳を交え続けた。
ウォーレンは、シェラーズにアルバレスのパフォーマンスを上回るチャンスを与え、将来的なビッグマッチに向けた布石を打つことがベルランガ戦を受けた理由の一つであると認めた。また、シェラーズ自身がすでに大舞台に慣れており、次も意味のある試合に直ちに戻りたいと強く望んでいたことも明かした。
ウォーレンは、シェラーズにアルバレスのパフォーマンスを上回るチャンスを与え、将来的なビッグマッチに向けた布石を打つことがベルランガ戦を受けた理由の一つであると認めた。また、シェラーズ自身がすでに大舞台に慣れており、次も意味のある試合に直ちに戻りたいと強く望んでいたことも明かした。
「私はコーナーに行って『もっとギアを上げろ』と声をかけた。すると彼はギアを上げて、アダメスに少し問題を与えはじめた。でも、今後はあんな戦い方は通用しない。」
アダメス戦での失望を経て、シェラーズはチームを再編成し、長年コンビを組んできたリッキー・フネスとの袂を分かつ決断を下した。
ベルランガ戦は168ポンドでの初戦であると同時に、新トレーナーのアンディ・リーとの初コンビでの一戦でもある。また、彼はここ数年カリフォルニアでトレーニングを続けてきたものの、プロとしてアメリカで試合をするのは今回が初めてとなる。
25歳の彼にとっては挑戦の連続だが、ウォーレンは依然としてシェラーズの能力に絶大な信頼を寄せている。
「彼はただ水に足先をつけているだけじゃない。池に飛び込んだんだ。それが彼のやり方であり、本当に厳しい試合になる」とウォーレンは述べた。
「これが今の状況で、もしアメリカに渡って7月12日にベルランガに勝てば、それは素晴らしいことだ。」