それは単にボクシングファンだからというだけでなく、ずっと研究してきたからでもある。
9月13日、ラスベガスのアレジアント・スタジアムで両者が正式に拳を交えるとき、ネブラスカ州オマハ出身のクロフォードはその知識を試すことになる。
クロフォードは試合に向けたビルドアップの中で大口を叩いてきた。アルバレスが168ポンド級に慣れていることは承知しているが、パウンド・フォー・パウンドのスターにとって、安全に距離を取って戦うという選択肢はない。
スーパーミドル級デビューとなる今回、アルバレスが破壊的なパワーで知られているにもかかわらず、クロフォードは「立ち止まって打ち合う」と約束している。
アルバレスからすれば、クロフォードの言葉は聞こえはいい。しかし実際には、相手は自分を奮い立たせようとしているだけだと見ている。最初のクリーンヒットを浴びせた瞬間、クロフォードも結局は他の対戦相手と同じ戦術を取るだろう、と感じているのだ。
「やつがパワーを感じたら、結局は同じことになる」とアルバレスは
『ザ・リング』誌に語った。
アルバレスが何より嫌うのは、自分と打ち合おうとしない相手だ。だが最近はまさに、誰もそれを避けてきた。
今でも「
ウィリアム・スカル」という名前を出されると、アルバレスはいら立つ。
5月3日、サウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われた12回戦では、アルバレスは試合の大半でスカルをリング上で追いかけ回すことになった。判定での完勝だったにもかかわらず、その戦いぶりはアルバレスをひどく苛立たせた。心の奥では、クロフォードには同じような戦い方をしてほしくないと願っている。
評価すべき点として、37歳のクロフォードは13か月前、154ポンド級デビュー戦で
イスラエル・マドリモフと真っ向勝負を繰り広げた。接戦ながらも明確な判定勝ちを収め、WBA王座を獲得した。
しかしアルバレスは、その結果をあまり重視していない。インサイドでヒートアップした時に、クロフォードが歯を食いしばって打ち合うのか、それとも逃げ出すのかを見極めたいのだ。
「どうなるか見てみよう」とアルバレスは語った。