ブラッド・レアは、街全体の想像力をかき立てる一戦に臨むという発想こそが、マンチェスターのライバルである
リンドン・アーサーを相手に自身のヨーロッパ・ライトヘビー級王座を防衛戦に選んだ最大の理由だと主張している。
11月1日、ストレトフォード出身でマンチェスター・シティのファンであるレアが、モストン出身でマンチェスター・ユナイテッドのファンであるアーサーと、マンチェスターの「コープ・ライブ・アリーナ」で対戦する。
このイベントはDAZNで世界に配信される。
この試合は、2014年4月に元WBAライト級王者アンソニー・クローラが長期にわたりヨーロッパ王座を保持していたジョン・マーレイをストップして以来、街にとって初の本格的なダービーファイトとなる。
レア(21勝1敗、10KO)は、
2025年6月28日にシャカン・ピッターズを退けてヨーロッパ王座を獲得した。この試合は同年の英国屈指の名勝負の一つと評されている。彼はその激闘で得た勢いを生かそうとしており、地元での大一番がその絶好の機会になると理解している。
レアは「子どもの頃、クローラ対マーレイを観に行ったことを覚えている。あの盛り上がりと興奮は本当にすごかった」と
「ザ・リング・マガジン」に語った。
さらに「街で誇りをかけた戦いのチャンスなんて滅多に巡ってこない。まさにそれが全てだ」と言い加えた。
「こんなことは滅多に起きないし、子どもの頃に『こんな試合に出てみたい』と思ったのを覚えている。そして実際に自分に話が来たとき、『これがチャンスだ』と直感した。もしこれを断って別の試合を選んでいたら、二度とこんな機会は訪れないかもしれない。だから迷う余地なんてなかった」
アーサー(24勝3敗、16KO)との試合は、レアにとってクイーンズベリーとの新たなプロモート契約下での初戦となる。だが27歳の彼は、ショーケースを求めるのではなく、リスクとリターンの比率が最も大きい試合を自ら選び取った。
レアはアーサーの実力を十分に理解している。34歳の元世界タイトル挑戦者であるアーサーは、長年にわたり175ポンド級の上位戦線に名を連ねてきた存在であり、両者はジムでラウンドを共にした経験もある。
それでもレアは挑戦を恐れたことがない。マンチェスターのライトヘビー級最強を証明するだけでなく、アーサーを倒すことで群雄割拠する英国の野心的なライトヘビー級勢から一歩抜け出し、世界レベルへのステップアップに理想的な位置を確立できると考えている。
レアは「リンドンこそ橋渡しの存在だと思っている」と語った。
「世界レベルに手をかけ、さらに世界タイトルを狙おうとしているファイターたちがいる。「そして自分や
エズラ・テイラー、
ルイス・エドモンドソンのように、まだ国内レベルにいるファイターたちもいる。自分にとってリンドン・アーサーこそ、その差を埋める最短ルートだ。これが次のステップに進むための道だ」
「彼はビッグネームで、誰もが知っている存在だ。
ドミトリー・ビボルや
アンソニー・ヤードと戦い、サウジの興行にも出場している。そんな相手を倒せば、マンチェスターで自分の評価を築く上で大きな意味を持つと思う」
「注目しているのはボクシングファンだけじゃない。フットボールファンの視線も集まり、街全体がこの試合に熱狂すると思う。自分にとってはファンベースを築き始める第一歩だと思っている。多くの話題になるだろうが、一番大事なのはダービーという側面なんだ。タイトルやその先のことにはこだわっていない」