ブライアン・ノーマン・ジュニアとプロモート契約を結んで以来、ボブ・アラムとマッチメイカーたちは、この無敗のWBOウェルター級王者をどう評価すべきか戸惑う時期があった。
ノーマンは、2023年にトップランクのカードで挙げた最初の2勝がいずれも判定決着となり、際立った印象を残すことはできなかった。さらに2024年3月、ジャネルソン・ボカチカとの試合がノーコンテストに終わったことで、ノーマンがその大きな潜在能力を本当に開花できるのかという疑念がさらに高まった。
ジョージア州出身のノーマンは、手の負傷に長く悩まされ、秋には左手の再手術を受けなければならないほど深刻だった。だが、24歳のノーマンが直近3試合で見せたパフォーマンスにより、アラムは彼が4団体時代における史上2人目のウェルター級完全統一王者となる可能性があると確信するようになった。
「彼にはその道が見えていると思う」とアラムは
ザ・リングに語った。「どうやら減量にも大きな苦労はないようだし、今後彼が素晴らしいキャリアを築いていくと確信している。」
93歳のプロモーターであるアラムは、先週東京のリングサイドで誇らしげに試合を見守った。そこではノーマンが日本の有力コンテンダー、佐々木尽を完全に粉砕した。冷静で、強く、精密なノーマン(28勝0敗、22KO、1ノーコンテスト)は、佐々木(19勝2敗1分、17KO)を初回に2度倒し、
5ラウンドには左フックで完全に失神させてメインイベントを締めくくった。この試合はESPN+で大田区総合体育館から配信された。
「彼は見事な戦いを見せた」とアラムは語った。「今や彼こそがウェルター級のキングだと思っている。彼は自信に満ちているし、非常に優れたファイターだ。リングジェネラルシップを理解していて、冷静さもある。そして、彼ほどパンチのあるウェルター級はいない。」
ジャロン・エニスが先週、
The Ring、IBF、WBAのウェルター級王座を返上してスーパーウェルター級に転向することを発表したことで、ノーマンが147ポンド級の王座を完全統一するために次に誰と戦うのかは不透明になった。アラムとノーマンはまず、7月19日にラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われるWBC王者
マリオ・バリオス(29勝2敗1分、18KO)対フィリピンの伝説マニー・パッキャオ(62勝8敗2分、39KO)の勝者と対戦することを望んでいる。
「うちのスタッフは彼をどう導けばいいか分かっているし、彼はビッグファイトを手にすることになる」とアラムは語った。「バリオスとパッキャオの勝者と戦うのが理想的だと思うよ。」
パッキャオの元プロモーターであるアラムは、はるかに若くて試合間隔の短いバリオスを推しているが、8階級制覇王者であるパッキャオとの長年の関係の中で、彼を過小評価してはいけないことも学んでいる。それでも、パッキャオは現在46歳で、最後の公式戦は2021年8月、そして次にリングに上がるときには最後の勝利から6年近くが経過していることになる。
「だから私は彼が勝つとは思っていないが、マニーには何が起きるか分からない」とアラムは語った。「彼はいつも予想を裏切ってくるからね。」
アラムはノーマンの成長ぶりにも賛辞を送っている。特に15か月前、ボカチカとの試合が第3ラウンド終了時に両者のカットにより打ち切られたあとから、ノーマンが見せている成熟度とプロ意識の高さには強く感銘を受けているという。
「実力のある選手でも、大成できないまま終わる者は少なくない」とアラムは語った。「だが、勝利を糧に自分を磨き、さらに上を目指せる者こそがボクシングの未来を担うビッグファイターになる。そして忘れてはいけないのは、彼はまだ24歳なんだ。」
Keith Idec は『ザ・リング』誌の上級記者兼コラムニスト。X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。