ロンドン(イングランド)発――マッチルームの新加入選手
ベン・ウィテカーは、ボクサーを離れざるを得なかった理由として「定期的な出場機会の欠如」を挙げた。
今月初め、28歳のウィテカー(9勝0敗1分、6KO)が、プロキャリアの最初の3年間をベン・シャローム率いるボクサーで過ごした後、
マッチルームと長期プロモート契約を結んだことが発表された。
ウィテカーは新体制のもと、11月29日にバーミンガムのナショナル・エキシビション・センターで
ベンジャミン・ガヴァジ(19勝1敗、13KO)と対戦し、マッチルーム移籍後の初陣を迎える。新プロモーターのもとで忙しい期間を過ごすことを期待してのスタートとなる。
今回、ウィテカーはボクサーを離れ、新たな環境を求めた理由について説明した。
「ボクシング界ではいろんなことが起きていたけど、俺はとにかく試合をしたかったんだ。」と彼は語った。「でもしばらく静かな時期が続いてしまって、本当にがっかりした。」
「最終的にこの道に進むことは、みんな薄々わかっていたと思う。フリーエージェントになれたのは運が良かったし、いろんなプロモーターと話をした中で、マッチルームが自分にとって最も良いプランとルートを提示してくれた。彼らはこれまでにも同じ道を歩んで成功してきたからね。」
「彼らは、たぶん自分ほどの才能がない選手たちでも成功へ導いてきた。だから、自分も彼らと一緒ならやれると思ったんだ。少しのサポートさえあれば、きっとうまくいくと思っている。」
「試合数を重ねることが何より大事なんだ。ほかのところではなかなか試合を組めなかったけど、自分にとってはとにかくアクティブでいることが重要なんだ。キャリアの後半、世界タイトルを狙う段階に入ると、どうしても試合のペースは落ちてくると思う。」
「今年はまだ1試合しかしていないけど、そんなペースじゃ成長できない。だからマッチルームが提示してくれた“年間3〜4試合”というプランは、自分にとってまさに必要としていたものだった。」
ウィテカーのボクサー離脱により、彼は今後BBCのリングに上がることはなくなる。これは、
シャローム率いるボクサー社が20年以上ぶりにプロボクシングをBBCで放送する契約を結んだというニュースを受けてのことだ。
しかし、ボクサーが年間でどれほどの興行枠を確保できるのか、またBBCが提示する放映権料でマッチルームやクイーンズベリーの興行を中継する
DAZNと競えるのかは、依然として不透明だ。
試合数の少なさが理由でボクサーを離れたのかと尋ねられると、ウィテカーはこう答えた。
「まあ、そんな感じだね。もう28歳だし、時間は誰も待ってくれないから。」
「このままじゃ『次はいつ戦うのか?』『相手は誰なのか?』って、すべてが宙に浮いた状態だった。」
「ボクサーが自分にしてくれたことには本当に感謝しているし、それは誰にでも言えることだ。彼らは自分を助けてくれたし、素晴らしいポジションに立たせてくれた。でも結局のところ、これはビジネスなんだ。個人的な感情を持ち込むことはできない。結局のところ、エディ(・ハーン)とフランク・スミスと自分が組むことになるのは、いずれこうなる運命だったんだと思う。そして今、まさにその時が来たんだ。」
ボクサーのBBCとの契約についてウィテカーはこう語った。
「確かにプラットフォームとしては素晴らしいけど、よく調べてみたらBBCワンじゃなくてBBCスリーでの放送なんだ。」
「自分はただ数字を追うためにここにいるわけじゃない。もっと良い試合をして、ランキングを上げ、自分のキャリアを正しい方向に導くためにここにいるんだ。数字はもう十分に持っているし、SNSのフォロワーも多い。自分のことを知っている人もいれば知らない人もいるけど、いまの自分にとってはそんなことはもう重要じゃない。」
ウィテカーは、4月20日にバーミンガムで行われた宿因の再戦で
リアム・キャメロンを2ラウンドTKOで下して以来、試合から遠ざかっている。これは、ちょうど1年前の同月に行われた初戦以来の唯一の実戦だった。
そして11月29日、7か月ぶりにリングへ復帰するこの試合は、偶然にもマッチルームでの初めてのメインイベントとなる一方で、BBC新時代におけるボクサー初興行と同日開催となる。
バーミンガムから北へ約40マイルのダービーでは、
フレイザー・クラークとジェイミーTKVが空位の英国ヘビー級王座を懸けて対戦する。両者は当初10月25日に対戦予定だったが、TKVの肋骨負傷により5週間の延期となり、その結果ウィテカーのDAZN興行と日程が重なる形となった。
“ザ・サージャン”ことクラークは「ボクシングファンにとっては、正直あまり良いことじゃない。」と語った。
「昔から家族にもよく言ってたんだ。『なんでそんなスケジュールを組むんだ?』ってね。どのイベントにも注目を集めたいなら、ちゃんと空いている日を探してそこに入れればいい。スケジュールにはもっと余裕があるはずなんだけど、結局はビジネスなんだよ。」
「個人的には、誰かに対して嫌がらせをしようとしてこうなったわけじゃないと思う。おそらく会場の都合でその日しか取れなかったんだろう。でもさ、考えてみてくれ。俺を観たい人とフレイザーを観たい人はそれぞれ別なんだ。」
「もし別の日にやっていれば、もっと多くのファンが両方を観られたはずなんだ。でも、ボクシングの世界ってのは結局こういうものなんだよ。」