Boxxerがスカイ・スポーツで行った最終興行から、
BBCとの新契約第1弾がスタートしたダービー大会の土曜夜までには、実に175日もの間隔があった。
ジェイミー「TKV」チシケヴァがフレイザー・クラークを破り、空位となっていた英国ヘビー級タイトルを獲得したことで、国営放送BBCとボクシングとの波乱に満ちた関係は、新たな時代の幕開けを迎えることとなった。
ダービーのヴァイアント・ライブ・アリーナで行われたこの興行は、英国において20年以上ぶりに、地上波のゴールデンタイムで放送されたボクシングの大会となった。そしてBoxxerの総帥であるベン・シャロムは、これを皮切りにBBCで月1回のペースで興行を行っていく考えであると語っている。
Boxxerとスカイとの契約が6月に終了し、その後8月にBBCとの新契約が発表された当初は、契約期間や年間の興行数といった具体的な内容は公表されていなかった。一部報道では、年間わずか3大会程度になるのではないかとも報じられており、年12大会という高頻度を予想する者は誰もいなかった。
しかし、TKVとクラークの延期されていた一戦がようやく実現し、今その構想が本格的に動き出したことで、シャロムはあらためてその野心的な計画を明言した。6月にスカイとBoxxerの契約が幕を閉じた際、偶然にもその最終興行で主役を務めたカラム・シンプソンが、次にBBCで試合を行う予定のボクサーとなっている。
バーンズリー出身のシンプソンは、12月20日にリーズのファースト・ダイレクト・アリーナで、
トロイ・ウィリアムソンを相手に英国、コモンウェルス、欧州のスーパーミドル級3冠王座の防衛戦に臨む。その後、シャロムが先月『ザ・リング・マガジン』に語った通り、
1月31日にはアダム・アジムがメインを務め、2026年にかけて興行は継続していく予定である。
「来年は月に1大会の開催を目標にしている」とシャロムは
『ザ・リング・マガジン』に語っている。「7月と8月は例年、我々にとって比較的スローな時期なので、夏がどうなるかは様子を見る必要がある。しかし、少なくとも1月、2月、3月といった時期は、これまでと同じペースで続いていくことになるだろう。」
「ここに至るまでには少し時間がかかったし、すべての準備を整えなければならなかった。しかし、願わくば、これが特別な何かの始まりになると期待している。」
シャロムとBoxxerは、すでに消滅した『アルティメット・ボクサー』トーナメントの中継を行ったチャンネル5によって、最初の大きな放送機会を得ていた。このフォーマットは、その後5スパイクやBTスポーツでも放送され、最終的にBoxxerはスカイとの非常に価値の高い独占契約を手にするに至った。
そのためシャロムは、営利を目的としないBBCという組織の仕組みが、これまでの放送局といかに異なるかについて語るのに、十分な立場にある人物でもある。こうした背景から、Boxxerが年内にも新たな有料放送のパートナーを発表する予定であることも明らかにされた。
「興味深い質問だ」とシャロムは、スカイと比べてBBCと仕事をする中で最も難しい点は何かと問われ、こう答えている。
「BBCは非営利組織であり、その点は常に念頭に置かなければならない。我々は、ペイ・パー・ビューの大会や、一定のサブスクリプション収入を必要とする興行を実施できるよう、契約内容を非常に創造的に構築する必要があった。その点については、非常によく連携できたと思っている。」
「また、すべてをBBCの基準に適合させる必要もあった。ボクシングをどのように見せるのか、その演出の仕方がBBCにふさわしく、かつこの競技を最も良い形で表現するものでなければならない。BBCでは隠し事はできない。おそらく世界で最も厳しく監視されている組織のひとつだからだ。そのスケールの大きさと厳格なチェック体制を、今まさに実感し始めているところだ。」
「BBCはいまだに英国で群を抜いて最大のプラットフォームである。数多くの番組、デジタル・プラットフォーム、iPlayer、ウェブサイトなど、その規模は計り知れない。現在は、これらのチームを統合し、この国におけるボクシングにとって最も強力なプラットフォームにしていこうとしている段階だ。」
土曜夜の興行では、フランチェスカ・ヘネシーが出場したセミファイナルとメインイベントがBBC Twoで放送され、アンダーカードはBBC iPlayerで配信された。しかしシャロムは『ザ・リング・マガジン』に対し、12月にリーズで行われる大会については、最大で4時間にわたり地上波チャンネルで放送される可能性があると明かしている。
「私が聞いている話では、メインの放送枠は3時間から4時間になる可能性があるということだ。つまり、その枠内で3試合から4試合を放送できるということになる。」
「BBCには非常に多くの番組編成があるため、スケジュールによっては今後変更が生じる可能性もある。しかし、ダービー大会よりは長いメイン中継になる見込みだ。」
「iPlayerもアンダーカードの試合を配信する巨大なプラットフォームであり、これまで我々が利用してきたものよりもはるかに規模が大きい。我々はBBCネットワークが持つあらゆる武器を最大限に活用しようとしているところだ。」
「これほど長い年月を経て、国営放送で再びボクシングをプロモートできるのは、非常に大きな名誉である。今この場に立てていることを心からうれしく思っているし、これまで積み重ねてきた努力によって、今後は歯車が噛み合うように物事が順調に回り始めてくれることを期待している。」