かつては笑い話と思われていたが、
アンソニー・ジョシュア対
ジェイク・ポールの対戦が今年後半に実現する可能性がある。
ジョシュアのプロモーターでありマッチルーム・ボクシングのCEOエディ・ハーンは最近、この対戦が実現する確率を五分五分と語った。一方、ポールのプロモーション会社Most Valuable PromotionsのCEOナキサ・ビダリアンは、この対戦の可能性についての発言でさらなる注目を集めている。
ジョシュアのトレーナー、ベン・デイヴィソンは、この対戦が実現した場合、ポールのことを心配している。
「クレイジーだよな」とデイヴィソンは
「ザ・リング・マガジン」のルイ・ハートに語った。「本当に危険な試合だと思う。これは僕たちが愛するスポーツであり、その価値を守らなければならない。[アンソニー・ジョシュアは]リングに上がる相手として世界で最も危険な男の一人だ」
「[フランシス]・ガヌーの例を見ればわかる。彼は格闘技界でも屈指のタフさを誇る男の一人だ」
デイヴィソンは、ジョシュアとポールの対戦の可能性を、2017年8月に行われたフロイド・メイウェザーによるコナー・マクレガーへの10回TKO勝利という大一番に例えた。
メイウェザー(50勝無敗、27KO)は元5階級制覇王者で2021年に国際ボクシング殿堂入りを果たしており、マクレガーは2階級制覇のUFCチャンピオンだ。両者の対戦はアメリカのボクシング史上2番目に多い430万件のPPV(ペイパービュー)購入数を記録した。
確かに類似点はあるが、ポールが直面する危険度はマクレガーとは比較にならない。サイズ差と、ジョシュアと対戦する階級の違いが無視できない要素だ。メイウェザーはすでに1年以上の引退期間を経ており、身体的にもマクレガーより小柄だった。両者の試合は154ポンドのジュニアミドル級リミットで行われた。
身長6フィート1インチのポールは通常クルーザー級(リミット200ポンド)で試合をしているが、唯一の例外がマイク・タイソン戦での227.2ポンドだった。一方、6フィート6インチの巨体を誇るジョシュアは、直近5試合すべてで250ポンド以上の体重だった。
「似ている部分もあるが、同時にメイウェザーとは違う」とデイヴィソンは語った。「ジョシュアのように相手の頭を吹き飛ばせるタイプではないからだ」。
ジョシュア(28勝4敗、25KO)は2024年3月、サウジアラビア・リヤドで元UFCヘビー級王者
ガヌーと対戦し、3度ダウンを奪い2ラウンドTKOで仕留めた。
しかし、元2度のヘビー級王者ジョシュアは、9月21日にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われた直近の試合で、元IBFヘビー級王者
ダニエル・デュボアに4度ダウンを奪われ、5回KO負けを喫した。
35歳のジョシュアはデュボア(22勝3敗、21KO)とのタイトル戦に臨むまで4連勝を飾っており、その後は数々のケガのリハビリに専念しつつ、
華々しいキャリアの最後の挑戦に向けて準備を進めている。一方、ポール(12勝1敗、7KO)は、2023年2月にトミー・フューリーに8回スプリット判定で敗れて以来、6連勝を飾っている。28歳のポールは
6月28日、カリフォルニア州アナハイムのホンダセンターで、かつてのミドル級王者ジュリオ・セサール・チャベス・ジュニアをユナニマス判定で下した。