サウジアラビア・リヤド — バドゥ・ジャック、土曜夜に
ノエル・ミカエルジャンに最小差で勝利して、正当なWBCクルーザー級王者の地位を確立する。
12ラウンドにわたる激闘の末、ANBアリーナで再起を果たした両200ポンド級の間にはほとんど差が見られなかった。
判定では池原信人ジャッジが114-114のドローと採点したが、パブロ・ゴンザレスとホセ・マンズールの両ジャッジがともに115-113でジャックを支持したことで、この長引く騒動にようやく決着がついた。
この試合に至る経緯は複雑で、すべては2023年2月、ジャックがイルンガ・マクブを12ラウンドTKOで下しWBCクルーザー級王座を獲得したことに始まる。しかしその後、ブリッジャー級王座挑戦を視野に入れたことで、ジャックは「休養王者」に指定された。
その年の11月、ミカエルジャンがジャックの返上によって空位となったWBC王座をかけてマクブと対戦し、マイアミで3ラウンド以内にストップ勝ちを収め、より短時間で決着をつけた。
その後、両者ともに試合を行わないままだったが、同年12月にドイツ・ハンブルクで行われたWBC年次総会にて、WBCはジャックを正式な王者に復位させ、ミカエルジャンを「休養王者」に降格、事実上の立場を入れ替える決定を下した。
さらに混乱に拍車をかける形で、WBCはカナダの1敗ボクサー、ライアン・ロジッキをジャックのタイトルに対する指名挑戦者に指名し、今夜リヤドでの対戦が予定されていた。しかし最終的にロジッキは
1か月前に負傷により離脱し、その結果ミカエルジャンとジャックがついに「真のWBC王者」を決める舞台が整った。
両者合わせて41か月のブランクがあったことから、このセミメインイベントの最初の2ラウンドが目立った展開に乏しかったのは驚きではなかった。ミカエルジャンが初めて目立つ一撃を放ったのは第3ラウンド、右ストレートがヒットしたが、ジャックはほとんど反応を見せなかった。
ブランクがあったとはいえ、41歳のジャックにとって今回がサウジアラビアでの3戦連続の試合で、それ以前の2試合は現在居住するドバイで行われていた。そのため彼は今回の試合を「ホーム戦のようだ」と表現していたが、試合の主導権を握るには苦戦していた。第5ラウンド中盤にはミカエルジャンが左右フックを連続でヒットさせて主導権を握りかけた。ラウンド残り20秒でジャックも鋭い右を当てたが、直後に自らも一発被弾して終了のゴングを迎えた。
両者の離脱中にクルーザー級戦線は大きく動き、現在ではリング誌王者ジャイ・オペタイアがIBF王座を保持し、ヒルベルト・ラミレスがWBAとWBOのベルトを統一している。この試合の勝者がそのいずれかとの4団体統一戦線に名を連ねる可能性は高いと見られていたが、少なくとも前半の内容を見た限り、両者に対して強い警戒心を抱く必要はなさそうだった。
第8ラウンド残り1分、ジャックが右ストレートをヒットさせたが、その後の展開にはつなげられなかった。一方のミカエルジャンは、4発から5発のジャブを連打する場面が目立ったものの、後ろ手の強打につなげることはできていなかった。その後、彼はフックを大きく空振りし、返しに強烈な左フックを被弾。これがラウンド終了のゴング直前に彼をぐらつかせたように見えた。しかし第9ラウンドでは、自らの大きな見せ場を2度作り出し、試合の主導権を取り戻した。
試合は終盤にかけてさらに消耗戦の様相を強め、雑然としたままクライマックスを迎えた。ミカエルジャンは試合終了間際、残り30秒を切ったところで左フックをクリーンヒットさせ、劇的な幕切れを狙ったが、ジャックは粘り強く耐えた。
試合後、両者は希望を込めて手を掲げて結果を待ったが、最小差で軍配が上がったのはジャックだった。