アルマンド・レセンディスと妻のヤレリは、近い将来に家族を持つことを考えている。
子どもを持つことによる経済的な責任を見据える中で、土
曜夜にカレブ・プラントを倒すことが若い夫婦にとって大きな助けになるとレセンディスは理解している。26歳のメキシカンにとってのモチベーションはそれだけではない。もし自分がプラントを破れば、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)が描いている「元王者同士による次戦」──すなわち、プラントと宿敵ジャーマル・チャーロの対戦計画を台無しにできるという自覚もある。
ヒューストン出身のチャーロ(33勝0敗22KO)は、ニュージャージー州ミルヴィルの
トーマス・ラマンナ(38勝5敗1分19KO)と
10回戦のセミファイナルで対戦。その後にプラント(23勝2敗14KO)が、メインイベント12回戦でレセンディス(15勝2敗11KO)と激突する。この一戦はアマゾンのPrime Videoを通じて配信され、アンダーカードの放送開始は東部時間午後8時(日本時間午前9時)に予定されている。
ドラフトキングスでは、プラントが20対1、チャーロが12対1のオッズで圧倒的有利とされている。
「間違いなく自分にとって大きなモチベーションになるよ」とレセンディスはザ・リングに語った。「同時に、プレッシャーもだいぶ軽くなる。“Bサイド”の立場だから、失うものは何もない。でも同時に、自分がリングの中で何をできるか、何を見せられるかも分かっている。だから興奮している。自分なら番狂わせを起こせるし、あらゆる計画を狂わせることができると思っている。」
レセンディスは、かつて有望株として高い評価を受けていた。しかし2021年9月、ミネソタ州ミネアポリスのジ・アーモリーで行われた10回戦で、当時14勝4敗2分のマルコス・ヘルナンデスに判定で敗れ、番狂わせの犠牲者となった。その2戦後、元IBF/WBA世界スーパーウェルター級王者ジャレット・ハード(当時24勝2敗)を唇の裂傷によるカットでストップし、トヨタ・アリーナ(カリフォルニア州オンタリオ)での2023年3月の試合でKO勝利を挙げて勢いを取り戻した。
だがその次戦、2023年9月にラスベガスのT-Mobileアリーナで行われたカネロ・アルバレス対ジャーメル・チャーロのアンダーカードで、レセンディスはエリジャ・ガルシア(当時15勝無敗)との打ち合いの末に8ラウンドTKO負けを喫した。その後の復帰戦では、当時5勝2敗のフェルナンド・パリーサを相手に5ラウンドTKO勝ちを収めている。
テネシー州アシュランドシティ出身のプラントは、元IBF世界スーパーミドル級王者であり、いまなお168ポンド級のトップコンテンダーの一人とされている。レセンディスは、ザ・リングのスーパーミドル級ランキングで第4位に位置する32歳のプラントを、自身がこれまで対峙してきた中で最も手強い相手だと見ている。
「彼が本当に優れたファイターで、エリートであることは分かっている。だからこそ、対戦できることが楽しみなんだ」とレセンディスは語った。「最高の相手と戦いたいんだ。」
まだ肉体的なピークにあるレセンディスだが、このチャンスを最大限に生かさなければ、自身のポテンシャルにたどり着くことはできないと自覚している。
「この試合に勝てば、自分のキャリアにとって大きな扉が開くことになる。それによって新しい世界が広がり、これまでにないビッグチャンスが手の届くところに来る。それは何にも代えがたい」とレセンディスは語った。「人生において、妻やこれから生まれてくる子どもたちに十分な生活を提供できるようになるし、経済的な自由を得ることもできる。それによって、自分と家族の未来は大きく変わる。この試合にはそれだけの意味があるし、だからこそワクワクしているんだ。」
Keith Idecはザ・リング誌のシニアライター兼コラムニスト。X(旧Twitter)@
idecboxingで連絡可能。