WBAは暫定バンタム級王者アントニオ・バルガスを正規王者に昇格させ、
負傷中の堤聖也を休養王者に降格した。
『ザ・リング』が確認した文書によれば、3月25日付でWBAチャンピオンシップ委員会は、堤に対してバルガスとの防衛戦に向けた義務交渉を命じていた。5月6日には、帝拳プロモーションズの本田明彦プロモーターがWBAに対し、堤が医学的にも身体的にもタイトル防衛が不可能であると報告した。この展開によりWBAはバルガスを昇格させることができ、堤は今後の治療、リハビリ、そして復帰見通しに関する正式な診断書を8月までにWBAに提出しなければならない。
バルガス(19勝1敗、11KO)は2016年のアメリカ五輪代表で、昨年12月にウィンストン・ゲレーロをノックアウトしてWBA暫定王座を獲得している。
堤(12勝0敗3分、8KO)は日本出身の29歳で、2月24日に行われたタイトル防衛戦かつ比嘉大吾との再戦ではカットとダウンを乗り越えて引き分けに持ち込んだ。堤は昨年10月、井上拓真に3-0の判定勝ちを収めてこのタイトルを奪取していた。
28歳のバルガスはタイトルを無駄にすることなく早期防衛戦に臨む予定で、その舞台はアウェーとなる日本になる見込みだ。
バルガスを擁するフロリダ拠点のボックスラボ・プロモーションズ代表アマウリー・ピエドラは『
ザ・リング』に対し、同社初の世界王者となったバルガスが7月下旬に日本で防衛戦を行うべく、帝拳プロモーションズとの交渉中であると語った。対戦相手として、那須川天心(6勝0敗、2KO)、比嘉大吾(21勝3敗2分、19KO)、井上拓真(20勝2敗、5KO)が候補に挙がっているという。
「アントニオは、自ら勝ち取ったこのタイトルを防衛することに興奮している」とピエドラは『ザ・リング』に語った。「もちろん、堤を破って正規王者になりたかったという気持ちはあるが、今はこの階級のトップ3選手との対戦に目を向けている。那須川、比嘉、井上はいずれも我々にとって良い相手だ。アントニオは素晴らしい若者で、彼が成し遂げてきたことを思えば、誰よりもふさわしい。彼の再起の物語を心から誇りに思っている」。
唯一の敗戦の後、バルガスは2019年にトップランクから契約を解除された。ピエドラは2022年にバルガスと契約し、それ以降はフロリダ州オーランドのカリブ・ロイヤルで彼の直近8試合をプロモートしてきた。
堤が健康を取り戻せば、ピエドラは夏の勝利後にバルガスが王座統一戦に進む可能性が高いと語った。
バンタム級(118ポンド)では他に、
WBC王者の中谷潤人とIBF王者の西田凌佑が存在し、両者は6月8日に空位のThe Ring王座も懸けて対戦する予定だ。WBO王者の武居由樹もこの階級の他のタイトル保持者である。
Manouk Akopyanは『ザ・リング』のリードライター。
XおよびI
nstagram:@ManoukAkopyan