アンソニー・ヤードは、
デビッド・ベナビデスが自分との試合に完全に集中していないと感じている。
英国の挑戦者ヤードは、ベナビデスが彼との戦いを前にして、すでに先の計画を立てすぎていると疑っているのだ。ベナビデスが
ドミトリー・ビボル(背中の手術から復帰予定の元統一王者)との対戦や、元完全統一王者
アルトゥール・ベテルビエフとの試合、その後クルーザー級へ階級を上げてWBA/WBO王者
ヒルベルト・ラミレスとの対戦まで語っているのを耳にし、ヤードはその姿勢に疑問を抱いている。
ベナビデス(30勝0敗、24KO)は、インタビューで聞かれた質問に正直に答えているだけだと主張している。彼にとってはそれらの発言はヤード(27勝3敗、24KO)とのタイトル防衛戦への集中を欠くものではないという。
それでもヤードは、ベナビデスの無敗記録が彼に“無敵”という錯覚を与えていると考えている。自分がベテルビエフや元統一王者セルゲイ・コバレフにTKOで敗れたことで得た経験、そして敗北がボクサーのキャリアに与える痛みを知っていることが、むしろ自分の強みになると感じている。ヤードは、11月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで開催される
『The Ring IV:ナイト・オブ・チャンピオンズ』のメインイベント(12回戦)で、ベナビデスと拳を交える。
ヤードは『Inside The Ring』の最新インタビューで、マックス・ケラーマン、マイク・コッピングジャー、クリス・アレオラ、リーション・マッコイらとともに自身の考えを語った。
「自分について言えるのは、敗北を経験したことがあり、その対処法を知っているということだ」とヤードは話す。「だからこそ、俺はこの試合でより危険な存在になると思っている。デビッド・ベナビデスはまだ一度も負けていない。だから時に、それが過信につながることもあるんだ。いくつかのインタビューを見たけど、彼は俺との試合の後の話をしていたりする。だから、ちゃんとこの試合に集中してくれていることを願うよ。ボクシングを学んできた中でわかったのは、そうやって油断すると人は足をすくわれるってことなんだ。」
2019年8月、ロシア・チェリャビンスクで行われたコバレフ戦では、ヤードは11ラウンドでTKO負けを喫した。試合では3人のジャッジすべてがコバレフの優勢を記録していた。この勝利でコバレフは次戦で
カネロ・アルバレスと対戦し、キャリア最高額の報酬を得た。
ヤードは2023年1月のロンドンでのベテルビエフ戦では、途中まで一人のジャッジがヤードをリードとしていたが、8ラウンドでベテルビエフの強打に屈した。
「ベテルビエフと戦ったあと、彼(ベナビデス)は“次は俺だ”と言っていた。コバレフと戦ったあとも同じことを言っていた」とヤードは語る。「メキシコの選手のスタイルはとても独特だ。ベナビデスも、今のところほぼ完璧と言える戦績を残している。でも、そういう相手こそが俺を奮い立たせるんだ。正直に言うけど、世間を説得しようとかそんな気はない。俺の試合を見たことがある人なら、いい戦いになるってわかってるはずだ。俺はアンダードッグとして挑むし、みんなに注目してもらいたい。」
28歳のベナビデスと34歳のヤードによる12回戦は、米国では
DAZNペイ・パー・ビュー(59.99ドル)、英国では24.99ポンドで配信される予定だ。ブックメーカーのドラフトキングスによると、『The Ring』誌175ポンド級ランキング2位のベナビデスが4位のヤードに対して10対1の有利と見られている。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
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