アンソニー・ヤードは、トッテナム・ホットスパースタジアムでマンチェスター出身のリンドン・アーサーの善戦を退け、判定勝ちを収め、三度にわたる対戦に終止符を打った。
この試合はクリス・ユーバンク・ジュニア対コナー・ベン戦のセミファイナルとして行われ、
DAZN PPVでライブ配信された。
両者はこれまで2度対戦しており、互いのスタイルを熟知している。アーサーは2020年12月、スプリットデシジョンで初戦を制したが、ヤードはちょうど1年後、第2戦で第4ラウンドKO勝利を収めて雪辱を果たした。
今夜は、再びイルフォード出身のヤードの夜となった。判定は115-113、116-112、116-112で、ヤードのユナニマスデシジョン勝利となった。
両者はスパーズ・スタジアムに熱烈な歓声の中登場し、アーサー(24勝3敗、16KO)はリアーナの『Run This Town』を入場曲に選び、ヤード(27勝3敗、24KO)は英国グライムアーティストのD Double Eとチップを従えて、自信満々にリングへ向かった。
第1ラウンドは、ヤードが速攻を仕掛け、3年前のコッパーボックスでの再戦時同様にアーサーを圧倒しようとした。しかし最終的には両者ジャブ主体の展開となり、終盤にかけてはヤードがやや優勢となった。
ヤードは第2、第3ラウンドでも積極的に前に出たが、効果的なヒットには苦しみ、アーサーもジャブで応戦しカウンターを狙った。
第4ラウンドは両者ともリング中央で優位を確立できず、精彩を欠く展開となったが、ヤードは左フックを軸にディフェンスの隙を突こうと試みた。
第5ラウンドでは、アーサーがバックステップからジャブを機能させた。マンチェスター出身のアーサーは、前回のKO負けの悪夢に苛まれながらも、初戦のような冷静な戦いを志向し、慎重な戦法を取った。これに観客67,000人の一部からは不満の声も上がった。
第6ラウンドでは、ヤードがペースを上げ、アーサーをロープ際に追い込み、アッパーカットやボディショットを決めた。アーサーも強烈な右を数発返したが、再びヤードが終盤に強さを見せ、正確な右クロスを決めた。
第7ラウンドはアーサーがジャブを効果的に使い、ヤードの攻撃をしのいだが、ラウンド終盤にはエセックス出身のヤードが勢いを増し、わずかにこのラウンドを奪った可能性がある。
第8ラウンドでは、「ビースト・フロム・ジ・イースト」ことヤードが猛攻を仕掛け、ラウンド終盤にかけてアーサーに重いパンチを何度も叩き込み、アーサーは明らかにスタミナを消耗し始めていた。
第9ラウンドでは、ヤードが明らかにアーサーの疲労を察知し、必死のラッシュをかけた。アーサーも、自身のベストパフォーマンスがすでに過去のものとなりつつあることを悟り始めていた。ロープ際に釘付けにされたアーサーは、これまでで最も厳しい攻撃を浴びる展開となった。
第10ラウンドには、試合のパターンがはっきりと表れた。アーサーはロープ際でわずかに反撃しようとしたが、ヤードは頭部と鳩尾に連打を浴びせ続けた。
最終11、12ラウンドも展開は変わらず、ヤードが主導権を握り、疲れ切ったアーサーは守りに徹する形となった。試合終了のゴングが鳴ると、4年半にわたる3度の対戦で計28ラウンドを戦い抜いた両者は、抱擁を交わした。
勝者はヤード。三度にわたるライバル対決を2勝1敗で制した。 ヤードは次に、長らく待望されてきたジョシュア・ブアツィとの対戦を目指すことになり、一方でアーサーは、もしこのラバーマッチで勝利していればと悔やみながら今後を考えることになる。