ジャロン「ブーツ」エニスにとって次の試合で最大の焦点となるのは、果たしてリングに再び上がるとき、彼の戦績に大物の名前が加わるかどうかである。
先月、ジュニアミドル級デビュー戦としてウイスマ・リマと対戦した際、エニスは初回
わずか2分以内に無名の挑戦者を粉砕したが、その相手選びには物足りなさが残った。
特に、4月に
エニスがアイマンタス・スタニオニスを下して『The Ring』誌および統一ウェルター級王者となった後では、リマは期待外れの相手だったといえる。
現在エニス(35勝無敗、31KO)は、今週土曜日に行われる
バージル・オルティス・ジュニア(23勝無敗、21KO)対エリクソン・ルビン(27勝2敗、19KO)の試合を注視しており、その勝者との対戦を狙っている。エニスの希望は長らく噂されてきたオルティス戦であり、彼はプロモーターのエディ・ハーンとともにテキサスでリングサイドに座り、勝者との対戦実現を強く訴える構えだ。
殿堂入り選手であり現アナリストのアンドレ・ウォードは、キャリアを進めるエニスに対し、警鐘を鳴らした。
「同じレベルに長くとどまり過ぎると、自分を過信するようになる」とウォードはロイ・ジョーンズ・ジュニアとの対談番組『オール・ザ・スモーク:ホール・オブ・ゲーム』で語った。「私には、ジャロン・エニスは対戦相手のレベルが上がればそれに合わせて成長できるタイプに見える。フィラデルフィアで彼らが築いているものには敬意を払っているよ。
『ブーツ』がオルティス対ルビン戦の勝者と対戦するチャンスを得る“今こそがその時”だと思う。もしこの機会を逃せば厳しくなる。トップレベルの相手との試合を始めなければならない。彼は『誰とでも戦う』と言っていたし、私はそれを信じている。彼が今後このようなチャンスを得て、世界に自分の実力を示すことを願っている。紙の上では、ブーツは非常に特別なファイターだ。
王者になるためには、このレベルの試合を経験することが欠かせない。彼はすでに28歳で、気づけば30歳になる。ブーツに実力があることは誰の目にも明らかだ。
だが35戦無敗とはいえ、まだエリートとの対戦経験がない。リングの向こう側に自分を極限まで研ぎ澄ませてくれるような危険な相手がいなければ、真の覚醒は訪れないのだ。」
エニスは自ら置かれている状況を十分に理解しており、選手として全盛期にある今こそ、より手強い相手と対峙する必要があることを自覚している。エニスは2017年以降の直近23試合で、カレン・チュクハジアンとの2試合を除き、対戦相手をすべてノックアウトしている。
もしオルティス対ルビン戦の勝者との試合が何らかの理由で実現しなかった場合、エニスは次の対戦候補として154ポンド級王者
セバスチャン・フンドラ、
バフラム・ムルタザリエフ、
ザンダー・ザイヤス、
アバス・バラオウの名を挙げている。
「俺は向かっている」とエニスはリマ戦後に
『ザ・リング・マガジン』へ語った。「オルティスはまず目の前の課題に集中しなきゃならない。あれは素晴らしい試合になるよ。ルビンを甘く見てはいけない。彼は技巧的で鋭く、優れたボクサーだ。バージルも同じく素晴らしいファイター。二人のスタイルの相性は抜群で、間違いなく好試合になると思う。五分五分の試合だが、多くの人がルビンを過小評価している。ルビンには勝つだけの技術と精神力があるし、逆もまた然り。バージルは圧力をかけるのがうまく、ジャブも良い。ボクシング界にとって非常に楽しみな試合だ。ベストマンが勝てばいい。俺としては、次はバージル、あるいは勝者、もしくはタイトルを持っている誰かと戦うつもりだ。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任記者である。
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