ニューヨーク —
エドガー・ベルランガには、破壊的なイメージがつきまとっている。
プロデビューから16試合連続で初回KO勝利を挙げたボクサーは、彼のほかにいない。とはいえ、その連勝が止まった後の約2年間で実力を疑問視する声も上がったが、ベルランガは
ジョナサン・ゴンザレス=オルティス戦で再び勢いを取り戻した。そんな危険な相手を前に、
ハムザ・シェラーズはここ数か月、徹底した準備を重ねてきた。ベルランガに勝つには冷静な判断力と鉄のアゴが必要――それを彼はこの週末に見事に証明してみせた。
『Ring III』のメインイベント、ニューヨーク・クイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで行われた一戦で、ベルランガはハムザ・シェラーズの目の前に立ち、何発もの強打を繰り出した。しかし、強心臓の英国人シェラーズは一歩も引かず、ぐらつくこともなかった。ベルランガの攻撃に怖さがないと感じた瞬間、シェラーズは前に出て一気に攻め立て、
第5ラウンドで試合をストップさせた。
この試合がシェラーズにとってスーパーミドル級デビュー戦だったことから、ベルランガのパンチをどう捉えたのかが注目される。しかし、ニューヨーカーのベルランガがこれまでで最もパンチ力のある相手かと問われたシェラーズ(26歳)は、はっきりとこう答えている。
「まったくそんなことはない」とシェラーズは最近『ザ・リング』誌に語った。「アモ・ウィリアムズがこれまでで一番パンチがある。彼の一撃は本当に効く。[カルロス]アダメスも強打者だけど、アモのパンチ力は本物だ。俺はそう断言できる。」
2024年6月の対戦で、
オースティン「アモ」ウィリアムズはハムザ・シェラーズに対し、持てるすべてをぶつけたが、最終的には第11ラウンドでストップされ敗北を喫した。さらに、現WBC世界ミドル級王者の
カルロス・アダメスとの一戦では、シェラーズにとってキャリア最難関の試合となり、2024年2月22日の試合は物議を醸す
スプリット判定ドローに終わっている。シェラーズは言葉を選びながらも、ベルランガのパンチ力についてはやや過大評価されていると感じているようだ。一方で、28歳のベルランガの別の武器には意表を突かれたという。
「彼のジャブには正直驚かされた。フックはある程度予想していて、メンタル的にも準備できていたからそこまで問題なかったけど、ジャブは予想以上だった。鼻を痛めたけど、そこから修正できたよ」とシェラーズは語った。