ニューヨーク —
ハムザ・シーラーズは土曜夜、カネロ・アルバレスでさえ成し遂げられなかったことを
エドガー・ベルランガに対してやってのけた。
このイギリスのコンテンダーはスーパーミドル級の試合でベルランガをノックアウトし、偶然にも、もし9月13日にラスベガスのアレジアント・スタジアムでアルバレスがテレンス・クロフォードに勝利すれば、
シーラーズがそのアルバレスとの対戦を引き寄せる可能性が高まった。イングランド出身のシーラーズ(22勝0敗1分、18KO)は、ブルックリン出身のベルランガ(23勝2敗、18KO)を第4ラウンド終盤に2度、そして第5ラウンド序盤に再び倒し、レフェリーのデビッド・フィールズがクイーンズのルイ・アームストロング・スタジアムで行われた12回戦メインイベントをストップした。
シーラーズの圧巻の勝利は、激しく、そして鮮烈に、自身の168ポンド級戦線への本格参戦を告げるものとなった。ベルランガが土曜夜までに喫した唯一の敗戦は、昨年9月14日にラスベガスのT-モバイル・アリーナで行われたカネロ・アルバレスとの12回戦での判定負けだった。
26歳のシーラーズは、
WBCミドル級王者カルロス・アダメスとの初のタイトル戦で苦戦してから4か月半後にスーパーミドル級デビューを果たした。ドミニカ共和国出身のアダメス(24勝1敗1分、18KO)はシーラーズに勝利したように見えたが、2月22日にサウジアラビア・リヤドのANBアリーナで行われた160ポンド級の12回戦は公式にはスプリットドローとなった。
シーラーズは、あの試合を経て、自身の潜在能力を最大限に発揮するには168ポンドのスーパーミドル級へ階級を上げる必要があると実感した。また、元ミドル級王者アンディ・リーを新たにトレーナーとして迎えた。
そして、ベルランガを打ち破ったこの日の内容を見る限り、これら二つの決断は完璧だったと言える。
第4ラウンド、シーラーズはベルランガのパンチを何度もスリップしてかわしていたが、1分10秒過ぎにベルランガの左フックを受ける場面があった。それでもシーラーズはすぐに反撃し、ラウンド終盤に右をヒットさせた。
そして、クリーンヒットとなったシーラーズの左フックが炸裂し、ベルランガはリングのロープ下に仰向けに倒れた。残り41秒だった。混乱したベルランガはレフェリーのカウントに立ち上がったものの、明らかにダメージを負っていた。
再開直後、シーラーズはすぐさま攻め込み、今度は左から右の連打で再びベルランガをダウンさせた。第4ラウンド残り16秒の出来事だった。
ベルランガは第4ラウンドでのKOを何とかベルに救われたが、第5ラウンドには長く持たなかった。
シーラーズの右から左へのコンビネーションが再びベルランガをぐらつかせ、ベルランガは倒れまいと右グローブで体を支えた。この動作がダウンと見なされ、レフェリーのフィールズが間に入って「リングIII」PPVメインイベントをストップした。
試合のストップは第5ラウンド17秒だった。
第3ラウンドは残り40秒を切るまで大きな動きがなかったが、終盤になって両者が打ち合いを始めた。
第2ラウンドでは、ベルランガがジャブを軸に試合を組み立て、シーラーズの右を警戒しながら距離を取ろうとした。シーラーズはベルランガのディフェンスに隙を探しながら、冷静に構え続けた。
第1ラウンド終盤、残り1分を切ったところでシーラーズはベルランガとの打ち合いの中で左フックをヒットさせた。さらに約10秒後、ベルランガは右ストレートを返し、シーラーズをロープ際まで後退させた。
Keith Idec は『ザ・リング・マガジン』の上級ライター兼コラムニストである。X(旧Twitter)では @
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