アロイス・ジュニアは昨夜グラスゴーでスコットランドのデビッド・ジェイミソンを圧倒した後、英国クルーザー級王者ヴィダル・ライリーとの対戦を視野に入れる。

ロンドン出身のジュニア（10勝1敗、9KO）は、第1ラウンドと第2ラウンドにそれぞれジェイミソンを倒し、第3ラウンドには巧妙に隠した左フックで試合を激しく終わらせた。この印象的な勝利により、空位だったコモンウェルス王座を獲得する。

ジュニアは、ジェイミソン（13勝4敗、10KO）に対して自分が優位であることをすぐに見抜いたが、油断や雑な動きに陥ることなく戦い続けた。爆発的な攻撃力で知られる22歳のジュニアだが、この試合ではディフェンス面でも光るものを見せ、被弾はわずか13発に抑えた。

ジュニアはリング内外で常にエネルギッシュで興奮しやすい性格であり、試合週を通して自信に満ちた様子を見せた。木曜日の記者会見にはサングラスとスーツ姿で登場し、前日の計量ではイングランド代表のサッカーシャツを着て現れ、英スコットランド間のライバル意識をあおった。

人生最大の夜が訪れると、ジュニアは冷静かつ的確に仕事をこなした。

ジュニアの素質が疑問視されたことは一度もないが、彼がリング上の技術向上に取り組んできたことは明らかだ。冷静さがわずかでも増したことは、今後より手強い相手と対峙し、試合中に状況判断が求められる場面で大きな武器となるだろう。

「間違いない。言っただろ、俺は偉大さを目指してる。お前らは俺がサングラスをかけてイキってるだけだと思ってたかもしれないけど、俺は本物なんだ」と、ジュニアは試合後にクイーンズベリーへ語った。

「いつ倒すかなんて考えてなかった。常に、正しいタイミングで正しい判断を下すことだけに集中していた。」

「無理に倒そうなんて思わなかった。そんなのは愚かだ。もう俺はアマチュアじゃない。俺はチャンピオンだし、それが俺の役目だ。俺は支配するためにここにいるんだ。」

英国クルーザー級戦線は、いま世代交代の時期を迎えている。元WBO王者のクリス・ビラム＝スミスが依然として先頭を走るものの、ジュニアは今やその背中を追う若手勢の有力な一員となった。その中には英国王者ヴィダル・ライリー（13勝無敗、7KO）や、イングランド王者ジョン・ヘッジス（11勝無敗、3KO）も名を連ねている。

つい先月、巧みで品のあるライリーは、『ザ・リング』誌初の主催イベントに出場し、与えられた機会を見事に活かして強烈な印象を残した。

ライリーは、2020年東京五輪代表のシェブ・クラークを圧倒する見事なボクシングを披露し、クリス・ユーバンクJr対コナー・ベンの因縁のミドル級戦のアンダーカードで英国王座を奪取した。

現時点では、ジュニアはまだライリーに一歩及ばないものの、同じロンドン出身のライバルとの差を急速に縮めつつある。両者が拳を交えることになれば、まさに“火”と“氷”の激突になるだろう。ジュニアにはクルーザー級（200ポンド）で多くの対戦候補や進路があるが、狙いはライリーに定まっている。

「全部受けて立つ。誰が来ようと構わない。ヴィダルが望むなら、俺はここにいるぜ、ベイビー。ヴィダル・ライリーが望むなら、俺はここにいる」とジュニアは語った。

「奴は俺から逃げようとするだろうが、俺がリングを封じてやる。どこにも行かせない。絶対に逃がさない。」