ニューヨーク――肩に新たなベルトを掲げながら、
ザンダー・ザイアスは日曜未明、154ポンド級の他の王者たちに向けてメッセージを発信した。
22歳のザイアスは、土曜夜に史上最年少クラスのボクシング世界王者となり歴史に名を刻んだだけでなく、新たにWBO世界スーパーウェルター級王者となったことで、同階級のトップ選手たちを引き寄せるための駆け引きの主導権も手に入れた。
マディソン・スクエア・ガーデン内のザ・シアターで、
手強くクセのあるホルヘ・ガルシアをアウトボックスし、新たにWBO世界スーパーウェルター級王者となったザイアスは、今後の対戦相手としてIBF王者
バフラム・ムルタザリエフ、WBC王者
セバスチャン・フンドラ、WBC暫定王者バージル・オルティス・ジュニアの名を挙げた。これらの対戦は今年後半から2026年初頭にかけて実現する可能性がある。
「誰でもいい。誰でもね」とザイアスは記者団とカメラマンたちに語った。「バフラムが相手を探しているって聞いたし、セバスチャン・フンドラは自分のベルトを取り戻したいようだ。だから誰でもいい。この階級にいるなら、誰でもかかってこい。言っただろう、もう逃げ場はない。俺は世界王者で、奴らが欲しいものを持っているんだ」
サンライズ(フロリダ州)出身のザイアス(22勝無敗13KO)は、メキシコのガルシア(33勝5敗26KO)を12ラウンドにわたって巧みに捌き、冷静かつ頭脳的な戦いを展開したことで、望まれていた立場を手に入れた。ESPNがトップランク社との独占契約8年の最後に中継したメインイベントで、ジャッジのロビン・テイラー(119-109)、トム・シュレック(118-110)、トニー・パオリロ(116-112)はいずれもザイアスの圧勝を支持した。
コーチェラ(カリフォルニア州)出身のフンドラ(23勝1敗1分15KO)、ロシアのムルタザリエフ(23勝無敗17KO)、グランド・プレーリー(テキサス州)のオルティス(23勝無敗21KO)は、いずれもザイアスとの対戦スケジュールを立てられる状態にある。
当初、ザイアスとフンドラの陣営は今夏の対戦を交渉していたが、フンドラは代わりにチューとの再戦を選んだ。2024年3月に行われた血みどろの激闘では、フンドラがスプリット判定で勝利していた。
その再戦により
フンドラはWBO王座を返上し、WBO1位だったザイアスが指名挑戦者として、同2位のガルシアと王座決定戦を戦うこととなった。
ムルタザリエフは、2024年10月19日にフロリダ州オーランドでチューを4度ダウンさせ、3回TKOでWBO王座を奪って以来、試合を行っていない。オルティスは、2025年2月22日にサウジアラビア・リヤドで
イスラエル・マドリモフ(10勝2敗1分7KO)を判定で破ったのが最後の試合である。
ザイアスは、同階級屈指のハードパンチャーであるオルティスとの対戦について、具体的に質問を受けた。
「そうなってほしいね」とザイアスは答えた。「俺は“やる”と言うよ……ああ、ああいう大きな試合が全部実現してほしい。もう誰も俺から逃げられない。俺は世界王者で、奴らが欲しいものを持っている。だから、やるさ」
『The Ring』誌では、オルティスをランキング2位、マドリモフを3位、ムルタザリエフを4位、フンドラを5位にランクしている。ザイアスは、ガルシアに勝つ前の時点ではトップ10にランクインしていなかった。なお、ガルシアは試合前に同誌ランキング10位であった。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。