ザンダー・ザヤスは、今夏にマディソン・スクエア・ガーデンで
セバスチャン・フンドラの持つ2つのスーパーウェルター級タイトルに挑むことを目指し、4か月前に行われたフンドラ対コーダル・ブッカー戦を観戦した。
しかし交渉はまとまらず、
フンドラとザヤスの陣営は別々の道を進むこととなった。その結果、WBO世界154ポンド級王座の指名挑戦者であるザヤスは、先週土曜にテレビでフンドラ対
ティム・チューの再戦を見届けることになった。
無敗のザンダー・ザヤスは、今週土曜にセバスチャン・フンドラが返上したWBO王座を懸けて戦う予定であり、ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで
ティム・チューが第8ラウンド開始のゴングに応じなかったことに、周囲ほど驚きは感じなかった。ザヤスは、チューがその2戦前にIBF王者
バフラム・ムルタザリエフから激しい打撃を受けていたことから、彼をフンドラにとって非常に脆弱な相手と見ていた。
「土曜の試合は見ました」とザヤスは『ザ・リング』に語った。「フンドラはやるべきことをやったと思います」。
セバスチャン・フンドラは、12ラウンド制の再戦の第1ラウンドでストレートの左を決めてティム・チューをダウンさせた。6フィート6インチ(約198cm)のフンドラよりも20センチ以上低いチューは、154ポンド級としては非常に長身なサウスポーであるフンドラに対し、距離を詰めてクリーンヒットを当てるのにかなり苦戦した。
フンドラ(23勝1敗1分、15KO)は、初戦よりも自らの身長とリーチを効果的に活用。WBC世界スーパーウェルター級王者である彼は、特に左の精度が高く、2024年3月の初戦でチューが序盤2ラウンドで比較的楽にヒットしていた相手とは思えないほどだった。初戦では、不自然な形での肘との接触により、チューの生え際中央付近に致命的なカットが生じていた。
チュー(25勝3敗、18KO)は、土曜の第7ラウンドに自身の右を当て始め、白熱した打ち合いに突入。しかしそのラウンドで被弾も多く、シドニー出身の彼はインターバルで試合続行を拒否し、スツールの上で棄権した。
リングの中で死を覚悟していることや、決してギブアップしないと語ってきたチューの今回の判断には、多くの関係者が驚いた。しかしフロリダ州サンライズ出身のザヤスは、フンドラとの再戦前からチューはすでにダメージを負ったボクサーだと見ており、プレミア・ボクシング・チャンピオンズのPPV共同メインイベントで、コスチャ・チューの長男が続行を拒否したことには全く驚かなかったという。
「驚きませんでした」とザヤスは語る。「ここ最近、彼はいくつかの激闘を経験していて、特に1つ前の試合ではノックアウトされた(ムルタザリエフ戦)後から、もはや同じ選手ではなかった。彼はパンチをかわすフットワークもなかったので、途中で棄権するか、ノックアウトされると予想していました」。
ロシアのバフラム・ムルタザリエフ(23勝0敗、17KO)は、昨年10月19日にフロリダ州オーランドで行われた試合でティム・チューを容赦なく打ちのめし、チューは4度のダウンを喫して第3ラウンドTKO負けを喫した。
ザンダー・ザヤス(21勝0敗、13KO)は、セバスチャン・フンドラが返上したWBO世界スーパーウェルター級王座を懸けて、今週土曜にニューヨークでメキシコの
ホルヘ・ガルシア(33勝4敗、26KO)と対戦する。ESPNはこの12回戦を、マディソン・スクエア・ガーデン内のザ・シアターからの三連戦メインイベントとして全米中継する(東部時間午後9時/太平洋時間午後6時)。
Keith Idecは『ザ・リング』の上級記者兼コラムニストであり、X(旧Twitter)では @idecboxing で連絡可能。