ファビオ・ワードリーは、自身の最終目標にたどり着くまでに、もう一人立ちはだかる相手がいるかもしれない。
WBO暫定王座をつかんだことだけが、その歓喜の理由ではなかった。
とはいえ、そのベルトを獲ることは重要だった。ザ・リング誌認定かつヘビー級完全統一王者
オレクサンドル・ウシクへの次期挑戦権を意味するからだ。
両陣営はこれから交渉に入って合意を探る。もしウシク対ワードリーが成立しないなら、WBO会長グスタボ・オリビエリは、ワードリーが指名挑戦者
モーゼス・イタウマと対戦する必要があると明言している。
「委員会は暫定王者に対して指名戦を履行させる権利を留保する」とオリビエリは『ザ・リング』に語る。「正当な理由でウシクが不在なら、指名戦を発動する」。
イタウマ(13勝0敗、11KO)の場合、ここ最近そのランキングと評価が急上昇している。ボクシング界でもっとも才能ある選手の一人と見なされており、その実力が確かなものであることを最近証明した。
初回でホワイトをストップしたのち、イタウマはWBOの第1位挑戦者に指名された。さらに、ウクライナのウシク(24勝0敗、15KO)が保持する別の王座においても、WBAランキングの1位に位置している。
当初、チームは12月13日に次戦を予定しているように見えたが、プロモーターのフランク・ウォーレンは最近、その計画が白紙になったと明かしている。
とはいえ、ワードリー(20勝0敗1分、19KO)と暫定王座を懸けて戦うことは、どちらの陣営にとっても望ましい展開ではないかもしれない。というのも、両者ともベン・デイヴィソンの指導を受けているからだ。
以前『ザ・リング』のインタビューで、ワードリーはイタウマがいずれ「友」から「敵」になる可能性を認めていた。理想的な状況ではないが、彼はチームとコーチ陣が舞台裏で行っている素晴らしい仕事を、外部の人々にも知ってほしいと語っている。
「俺にとっても、彼(イタウマ)にとっても、ベンにとっても、そして同じジムで切磋琢磨していること自体がすごくポジティブなことだ」とワードリーは『ザ・リング』に語る。「俺たちは階級の中で上がっていきながら勝利を重ね、世界タイトルをつかみ取っているんだ。」