チャンピオンが挑戦者をしつこく挑発するというのは、日常的な光景ではない。だが、
シャクール・スティーブンソンと
ウィリアム・セペダのケースでは、まさにそれが現実に起こった。
ここ数年、スティーブンソン(23勝0敗、11KO)はセペダを公の場で非難し続けてきた。本人が応じなければと、次はそのプロモーターであるオスカー・デ・ラ・ホーヤを標的にした。時間はかかったが、ついにスティーブンソンは相手をリングに引きずり出すことに成功した。
セペダ(33勝0敗、27KO)がWBCライト級王座に挑戦するこの試合で、彼に多くの勝機を見出す声は少ない。セペダが悪い選手だからというより、彼の持ち味とスティーブンソンのそれを比較したとき、アメリカ代表としてオリンピック銀メダルを獲得したスティーブンソンに分があると見られているのだ。
元々はスティーブンソンが保持していたそのベルトを手にしたこともある
テオフィモ・ロペスは、3階級制覇王者であるスティーブンソンに有利と見ている。ただし、戦い方には工夫が必要だと考えている。
ここ最近のスティーブンソンは、相手を圧倒しながら試合を制してきた。ジョシュ・パドリー戦は例外として、距離を保ってアウトボックスし、ジャッジのスコアカードで着実に勝利を収めるスタイルだ。
そのスタイルはセペダにも通用するかもしれないが、28歳のセペダには証明すべきものがある。1ラウンドに75発以上のパンチを放つこともあるなど、アグレッシブな姿勢を貫いている。
とはいえ、ロペスはスティーブンソンの技術を高く評価している。安全策に徹する姿勢が批判されることもあるが、それが今回の試合では裏目に出る可能性もあると見る。
「シャクールは、ああいうタイプのファイターの対処法を知っている」とロペスは自らの電話収録の中で語った。「でも、もっとコンビネーションを見せてほしい。そうじゃなければ、50対50の試合になるかもしれない」