ハムザ・シェラーズは今週、ほとんど未知の存在としてニューヨークに降り立った。しかし、ビッグアップルを去るときにはボクシング界の新たなスターになっていると強く信じている。
これは、今年2月22日に行われた
カルロス・アダメスとの初の世界タイトル挑戦で残念ながらスプリットドローに終わった試合以来のリング復帰戦となる。
その失敗に終わった挑戦は、同時にミドル級での最後の試合にもなった。今月のベルランガ戦はスーパーミドル級(168ポンド)で行われる。
アダメスと対戦する前、イルフォード出身のシェラーズは15連続KO勝利を記録し、イギリスでも最も期待されるパンチャーの一人として注目されていた。プロモーターのフランク・ウォーレンは、彼を「イギリス版トミー・ハーンズ」と評したほどだ。
しかし、5か月前のサウジアラビア・リヤドのANBアリーナではアダメスに押さえ込まれてしまった。シェラーズはその後、階級を変更しただけでなく、カリフォルニアの
リッキー・フネスからダブリンのアンディ・リーへとトレーナーも変えた。
元WBOミドル級王者のリーは、現役時代に高い評価を受けたワンパンチノックアウトアーティストであり、そのハイライト動画がそれを物語っている。
現在、シェラーズ(21勝0敗1分、17KO)は、この新たなタッグで勝利を掴むだけでなく、アメリカのボクシングファンに強烈な印象を与えたいと考えている。これがアメリカでの初戦となる。
「ただ勝つだけじゃダメだ」とシェラーズは語る。「パフォーマンスを見せないといけない。アメリカのファンは試合のスケールやドラマを本当に評価してくれるからね。今はすべて自分次第だ。アメリカでの初戦だから絶対にインパクトを残さないといけないし、ここのファンに自分のことを知ってもらわないといけないんだ。
「この試合に勝てば、自分のアメリカでの評価にとってすべてになるし、それ以上の意味もある。まさにすべてだし、それ以上だ。アメリカのファンに自分を見せるには、これ以上の相手はいない。相手は大口を叩いて、挑発的なことばかり言っているから、その分試合への注目もさらに高まるんだ。」
ニューヨークに到着して以来、シェラーズはタイムズスクエア周辺を歩きながら、試合への期待が高まっているのを肌で感じているという。
ベルランガ(23勝1敗、18KO)がブルックリン生まれ育ちであることを考えると、敵地での戦いになるのは間違いない。
「ここに来てから、すべて順調だよ」とニューヨーク滞在についてシェラーズは語る。「到着前にすべて準備を整えていたから、着いた瞬間からすぐ動き出せた。タイムズスクエアの近くに滞在しているから、歩いていると知らない人が『試合見に行くよ!』って声をかけてくれるんだ。イギリスではあまり経験しないけれど、ここだとそれだけ大きな試合なんだと感じる。場所的にも最高のロケーションだしね。
敵地の空気についても、特に心配はしていない。むしろ意外と彼のことを好ましく思っていない人も多いし、自分を応援してくれる人の方が多いくらいだ。だから敵地というより、むしろ彼にとっての敵地になるんじゃないかな。」
ベルランガは、昨年9月にスーパーミドル級の絶対王者
カネロ・アルバレスに唯一の黒星を喫している。一方、シェラーズの前戦は公式には引き分けだが、自身としてはアダメスに負けたかのような感覚だったと打ち明ける。
「立ち直るまでに6〜8週間はかかった」とシェラーズは語る。「あんな状況は初めてで、本当に不思議な空間だった。『もう終わりだ。世界が崩れ落ちた。これからどうすればいいんだ?』と思った。ずっと勝って、みんなをKOしてきた自分が、キャリアの中でつまずくような試合をしてしまった。そのとき『これからどうなるんだ?』と考えた。周りの人たちのエネルギーや接し方が変わるのも見えた。そういう話はよく聞くけれど、実際に自分がその立場になって経験してみないと、その意味は本当に理解できないんだ。」
「でも、その出来事から立ち直る助けになったのは、トゥルキ・アル・シェイク閣下から電話をもらったことだった。『ニューヨークでエドガー・ベルランガと戦うことになる』と伝えられたんだ。その瞬間に『よし、分かった』と気持ちが切り替わった。より自分に合った自然な階級で、本当にもう一度やり直してトップに返り咲くチャンスを得られると思えた。」