ニューヨーク発 — 一見すると、ジャーボンタ・デービスはまだ現役のボクサーである。
しかし、ティモシー・ブラッドリーによれば、デービスの内面では事実上すでに引退しているという。
「タンクは終わった」と、ブラッドリーはESPNによるトップランク最終放送後、マディソン・スクエア・ガーデン内のシアターで『
ザ・リング・マガジン』に語った。「タンクはグローブを壁に掛けて、靴を脱ぎ、プレートまで飾ったんだ。もう終わりだよ。」
バルチモア出身のデービスの実力については、ブラッドリーは常に高く評価してきた。しかし最近では、国際ボクシング殿堂入りを果たした元ESPN解説者のブラッドリーは、デービスの姿勢に失望しているという。
ブラッドリーの見解では、
デービスの状況が悪化し始めたのは今年初めのことだった。WBAライト級王者である30歳のデービスは、3月1日にブルックリンのバークレイズ・センターで
ラモント・ローチと対戦し、圧倒的な有利と見られてリングに上がった。
ブラッドリーを含む多くの人々は、デービスがはっきりと勝利すると予想していたが、結果はマジョリティ・ドロー(引き分け)に終わった。
その精彩を欠いたパフォーマンスがデービスに火をつけたようで、
彼とローチ(25勝1敗2分、10KO)は8月16日にラスベガスで再戦する方向で仮に予定されていた。しかし、デービス対ローチの再戦は正式に発表されることはなく、そのライト級タイトルマッチ第2戦が近い将来に実現するかどうかも不透明である。
リング内でパンチをよけるだけでなく、デービスはリング外でもさらに厳しい戦いに直面している。
3階級制覇王者の彼は、7月11日にフロリダ州マイアミビーチで逮捕された。彼は、2人の子どもをもうけた元交際相手との口論に端を発したとされる軽犯罪の暴行容疑で告発された。
警察の報告書によると、デービスの元交際相手は、2人の間にいる息子に関する口論があったと説明している。
報道によれば、デービスは父の日にあたる6月15日、2人の子どもを迎えに元交際相手の自宅を訪れた。子どもたちを自身の車に安全に乗せた後、彼は元交際相手に拳を握ったまま殴り、顔を平手で叩いたとされている。
その後、デービスはドラル警察署に身柄を拘束され、ターナー・ギルフォード・ナイト更生センターに一時収監された。保釈金は1万ドルに設定されており、裁判期日は7月29日に予定されている。
しかし、リング外での問題だけが、ブラッドリーが懸念している点ではない。
ローチとの対戦前、デービスは、もし勝利すれば元YouTuberでプロボクサーに転向した
ジェイク・ポールとの対戦に向けて進んでいるように見えた。この報道は後にポール自身も認めている。
さらにポールは、デービスがローチとの再戦で勝てば、その対決は今でも実現可能であると明かしている。
ブラッドリーは、デービスの才能についてはまったく疑っていない。しかし、私生活での問題などを踏まえたうえで、かつてのパウンド・フォー・パウンド・スターがボクシングから身を引く準備ができていると感じている。
「タンクは精神的にもうボクシングから離れている」と、ブラッドリーは語った。「タンクはもう気持ちが切れている。彼は大金を狙ってジェイク・ポールとの試合を探って、それで終わりさ。『じゃあな』ってね。もう終わったと思う。彼にはやりたいことがいろいろあって、ボクシングというスポーツにはうんざりしているんじゃないかな。」