ある日、
テレンス・クロフォードはグローブをはめることも、ボクシングトランクスに着替えることも、マウスピースをくわえることもなくなる。その時がいつ訪れるのかははっきりしないが、彼自身、それが近づいていることを自覚している。
ビッグファイト、世界タイトル、そして巨額の報酬に包まれたキャリアの中で、37歳のクロフォードは、朝ベッドから飛び起きたくなるような対戦相手を探し続けている。
WBC世界スーパーウェルター級王者
セバスチャン・フンドラ、IBF王者
バフラム・ムルタザリエフ、そして元WBO王者
ティム・チューといった名前も候補に挙がったが、クロフォードが求めるスター性を備えているとは言えなかった。しかし、4団体統一スーパーミドル級王者
カネロ・アルバレスには、その輝きが確かにある。
最終的に、両者の対決は夢物語から現実へと数か月のうちに一気に進展した。そして現在、
正式に9月13日に対戦することが決定しており、開催地は今後発表される予定である。アルバレスとの対戦には多くのリスクが伴う。メキシコのスターは破壊的なパンチ力を持ち、アウトボクシングにも優れている。しかし、リング内での危険性を上回るほど、クロフォードにとっては勝利によって得られる経済的な利益と、伝説的地位の向上が大きな魅力となっている。
3階級での4団体統一王者という歴史的快挙のチャンスを含め、すべてが懸かった一戦だけに、多くの人々は、結果がどうであれ、最終ゴングが鳴った後にクロフォードが静かに引退の道を歩むのではないかと確信している。
しかし、そうした引退の噂も、クロフォードの準備に一切影響を与えていない。それはアルバレス戦に集中しているからというよりも、3か月後のビッグマッチ以外に、彼自身も将来がどうなるのか分かっていないからである。
「どうだろうな」と、スーパーミドル級デビュー戦として予定されているカネロ・アルバレス戦の後に引退する可能性について問われたクロフォードは、スポーティング・ニュース・オーストラリアの取材にこう答えた。「様子を見ようじゃないか」。
引退するかどうかは別として、クロフォード(41勝0敗、31KO)は、キャリアの始まりや中盤どころか、すでに終盤に差しかかっているのは間違いない。それでも、その日が来て、しかるべき時間が経過すれば、彼は間違いなく初回投票で殿堂入りを果たすことになるだろう。
とはいえ、彼のレガシーが完全に固まったわけではない。つまり、もしクロフォードがアルバレスを破ることができれば、彼の評価は歴史的にまったく新たな次元へと押し上げられる可能性がある。
「この試合は、自分のレガシーとキャリアにとってすべてになる」とクロフォードは続けた。「本当に楽しみにしているよ」。