ボクシング界の「顔」は誰なのか──この問いは常に議論を呼ぶ。
しかし、近年その座を握ってきたのは
カネロ・アルバレスだと多くの人が考えている。だが、
9月13日にラスベガスのアレジアント・スタジアムで行われた試合でテレンス・クロフォードに敗れた後、ジャロン・エニスはその王座が交代したと確信している。
「彼(クロフォード)はボクシング界の顔であるカネロを倒したんだ」と
エニスは『The Ariel Helwani Show』で語った。「だから今この瞬間、クロフォードこそがボクシング界の顔だよ」
クロフォード(42勝0敗、31KO)はこれまで接戦になることがほとんどなかったが、スーパーミドル級でアルバレスを相手に勝てるのか、多くの人が疑問を抱いていた。年齢の面では不利だった。
試合当時、彼は37歳だった。また、2階級上げての挑戦であり、体格面でも不利だった。
それでも、そうした要素はまったく問題にならなかった。ネブラスカ州出身のクロフォードは、ボクシング、打撃戦、そしてフィジカル面のすべてでアルバレス(63勝3敗2分、39KO)を圧倒し、3階級で男子初の「4団体統一王者」となる偉業を成し遂げた。
試合直後、クロフォードは次の進路を決める必要があった。彼は168ポンド級にとどまるかどうか明言せず、
ミドル級への階級変更の可能性も示唆した。
一方で、ファンの中にはエニス(35勝0敗、31KO、1ノーコンテスト)との対戦を期待する声もある。しかし、フィラデルフィア出身で現在WBA暫定スーパーウェルター級王者のエニスに対し、クロフォードはその考えに冷や水を浴びせた。154ポンド級に戻るつもりはないと明言したのである。
もちろん、エニスとしては将来の殿堂入りが確実視されるクロフォードとの試合を望んでいるが、主導権は自分にはないことを理解している。さらに重要なのは、クロフォードには多くの選択肢があるということだ。
「彼には勝利を楽しませてあげるべきだ」とエニスは続けた。「誰と戦うかを選ぶ権利を、彼は勝ち取ったんだ。彼にはその資格がある」