通常、ボクサーが階級を上げるときには安堵感を得るものだ。減量による身体的な疲労から解放され、その開放感がキャリアに新たな命を吹き込むことも多い。しかし、スティーブン・フルトンの場合は、必ずしもそううまくはいかなかった。
スーパーバンタム級を離れた後、フルトン(23勝1敗、8KO)は2階級制覇を夢見ていた。そして約6ヶ月の間に、その目標を達成した。
現在はWBCフェザー級王座を肩にかける身となったが、フルトンは自身の現状に満足しつつも、思い描いていたほどの幸福感は得られていないという。
というのも、フィラデルフィア出身のフルトンは、典型的な小柄なボクサーとは異なり、より大きな階級の体格を有している。そのため、減量は常に困難であり、苦痛を伴うものであった。122ポンド級では、自身でも「長居しすぎた」と感じている。
そして126ポンドでも、同じ過ちは繰り返さないつもりだ。そのため、今後の進路について問われた際、30歳のフルトンは王座防衛については言及せず、むしろその王座を返上する姿勢を見せた。
「次のベルトが欲しい」とフルトンは『All The Smoke Fight』でアンドレ・ウォードに語った。「上の階級に行きたいんだ。130ポンドなら、楽に感じられると思う。」
複数の報道によれば、フルトン陣営は現在、130ポンド級の現WBC王者オーシャキー・フォスターと接触を図っており、交渉は順調に進んでいる模様だ。これにより、次戦での直接対決が実現するとの見方が強まっている。フルトンの
トレーナーもその可能性を示唆している。
フォスターに勝利すれば、フルトンは3階級制覇王者となるが、だからといって現在のフェザー級を完全に捨てるわけではない。
結局のところ、重要なのは金銭面である。たとえ130ポンドへの転向が現実的な次のステップであったとしても、条件次第では126ポンドと130ポンドを行き来することにも抵抗はないという。
「両方やるつもりだよ。でも、126でやるにはちゃんと意味がないとね」とフルトンは語った。