ニューヨーク発──
シャクール・スティーブンソンは、土曜夜に行われた
ウィリアム・セペダ戦で第3ラウンド終盤に効かされたという見方を否定した。
試合後の記者会見でスティーブンソンは、第3ラウンド残り30秒を切った場面でセペダの右をもらって効いたように見えたのは、バランスを崩していたためだと説明した。その場面ではロープ際に追い詰められたスティーブンソンが一時的に足元を失い、観客やDAZNの実況陣からも大きな反応が起きていた。
しかし、足をしっかりと据えたスティーブンソンは、セペダの連打を数発スリップして返しの強打を数秒以内に打ち返していた。
「みんな俺が効かされたと思ってるようだな」とスティーブンソンは語った。「今さっきビデオを見たんだけど、あれはジャブをもらって、ちょっとバランスを崩しただけだった。そしたらそのまま連打を浴びて、効かされたように見えた。でもマジで言うけど、本当に効いてたなら、俺はちゃんとそう言うよ。」
モチベーションの高かったスティーブンソン(24勝0敗、11KO)は、この試合でいつも以上にリスクを冒した。それは、彼の通常のディフェンシブなスタイルに対する絶え間ない批判に嫌気がさしていたためである。セペダ(33勝1敗、27KO)は、この12ラウンド戦に入る時点で対戦相手の82%をKOしてきた実績を持ち、強烈なパンチ力を誇っていたが、クイーンズの
ルイ・アームストロング・スタジアムで行われた「Ring III」の共メインイベントでは、そのメキシコ人サウスポーのパワーをスティーブンソンはしっかりと受け止めていた。
左構えのスティーブンソンは、セペダの攻撃的なスタイルの中で153発のパワーパンチ(非公式集計)を被弾した後、彼のパンチ力についてこう語った。
「ちょっと重たいパンチだったな」とスティーブンソンは語った。「あいつは27回KOしてるしな。今はボクシングの最高レベルで戦ってるわけだから、そりゃあ多少の重さはある。ワンパンチで終わるって感じじゃないけど、ズシッとくる力がある。同じところを何度も打たれると、それが効いてくるタイプ。だからタフな奴だよ。」
スティーブンソンは、セペダにも自分のパワーを意識させたと確信しており、それが今回の戦略の重要なポイントだった。
この日のスティーブンソンは珍しく高い攻撃精度を記録し、パワーパンチの56%をヒットさせた(358発中199発)。一方のセペダは501発中153発を命中させ、命中率は31%だった。
「俺もパンチが打てるってことを見せたかったんだ」とスティーブンソンは語った。「相手に敬意を払わせなきゃいけなかった。序盤は俺のパンチを無視して突っ込んで来てたけど、途中からペースが落ちたろ? 俺のパンチを認めざるを得なかったってわけさ。それが今夜一番の狙いだった。」
ファンからの支持も高かったこの試合では、スティーブンソンがセペダを効かせた場面はなかったように見えたが、判定ではその優位性がはっきりと現れていた。
ジャッジのケビン・モーガンは119-109で11ラウンドをスティーブンソンに。グレン・フェルドマンとマイク・フィッツジェラルドの2名も、それぞれ118-110でスティーブンソンに軍配を上げた。
スティーブンソンは
『The Ring』誌ライト級ランキングで2位に位置しており、今回セペダ(同3位)を破ったことで、WBC王者としての指名挑戦者への義務を果たした。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@
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