セルゲイ・コバレフは、4月にアルトゥール・マンを7ラウンドTKOで下した後、リングに別れを告げた。もはやタイトルを懸けて戦うことはないが、別の挑戦には興味があるようだ。
ジェイク・ポールに関しては、好きか嫌いかのどちらかで、中間はない。元YouTuberで現在はボクサーの彼は、引退したMMAファイターやピークを過ぎた有名ボクサーとばかり対戦してきた。
その傾向は直近の2試合でも続いており、元ヘビー級王者で現在59歳のマイク・タイソンと対戦した後、最近では
39歳のフリオ・セサール・チャベス・ジュニアと戦った。チャベス・ジュニアはここ10年以上まともに勝利しておらず、活動もほとんどしていなかった。
ポール(12勝1敗、7KO)は長年、本物のボクサーであることを世間に認めさせようとしてきた。コバレフもおおむね、ポールはなかなか良いボクサーだと認めている。ただし、その評価には但し書きがつく。
「奴はいいボクサーだが、相手の名前がない」とコバレフは『Seconds Out』に語った。
かつてはパウンド・フォー・パウンドのランキングでトップ5に必ず名前が挙がっていたコバレフも、アンドレ・ウォード、エレイデル・アルバレス、カネロ・アルバレスに敗れたことで、名声は陰り、技術も衰えた。
引退生活はまだ始まったばかりで、顔を殴られない日々は心地よいという。食事の量も増え、出てきた腹を誇らしげに見せびらかしている。
減量や試合準備に追われる日々はもう終わった。少なくとも、そう言えるかもしれない。
再びリングに上がるつもりはない、と本人は語る。ただし相手がジェイク・ポールであれば話は別だ。興味がないならそれで構わないが、ポールには自分ほどの相手が必要だと考えている。
「ジェイク、お前が本物のファイターになるつもりなら、やろう。戦おうぜ。」