テレンス・クロフォードや
井上尚弥に敬意を表しつつも、
オレクサンドル・ウシクは現在のパウンド・フォー・パウンドで世界1位と広く見なされている。
タイソン・フューリーに連勝し、さらに直近では
ダニエル・デュボアを5ラウンドKOで下したことで、その評価はより確かなものとなった。特に“ダイナマイト”ことデュボアに対する勝利によって、ウクライナのウシクは史上3人目の3階級4団体統一王者となった。
パウンド・フォー・パウンドの頂点に立つというのは、そう簡単に到達できる場所ではない。しかし、
ロイ・ジョーンズ・ジュニアはその景色をかつて見た者の一人である。
現役時代、殿堂入り選手であるジョーンズは圧倒的なスピードとスキルで相手を切り刻み、そのすべてを容易く見せていた。もちろん、ウシク(24勝0敗、15KO)が登場したのは、ジョーンズの最盛期を過ぎてから約10年後のことである。
それでもジョーンズは、ファンとしてだけでなく、ボクサーとしてもウシクのスタイルを長年にわたり研究してきた。リング上で難解なパズルのような存在であるウシクを攻略できたかと問われたとき、ジョーンズは自信を持って答えた。
「俺なら彼を倒す方法を見つけていただろう。それが俺という人間なんだ」とジョーンズはDAZNのアデ・オラディポに語った。「全盛期の俺は誰にも負けるつもりはなかった。勝つ手段は必ず見つけていたよ。」
実際、ウシクは対戦可能な相手が減りつつある。7月19日にウェンブリー・スタジアムでデュボアを激しくストップした後、彼に相応しい挑戦者のリストは縮小している。現在56歳のジョーンズに復帰の意思はない。2023年4月1日にアンソニー・ペティスとの試合で登場し、マジョリティ判定で敗れたが、真のパウンド・フォー・パウンドの姿を見せていたのは20年近くも前のことだ。
彼のキャリアには数え切れないほどのビッグマッチの勝利と無数のタイトルがある。中でも伝説的とされるのは、2003年にジョン・ルイスに勝利してヘビー級タイトルを獲得したことだ。もしタイムマシンがあれば、ジョーンズは若かりし姿で戻り、ウシクとの一戦に臨みたいと語っている。
もちろん、それは現実には不可能である。実際のところ、ジョーンズはこれからも観客としてウシクのキャリアがどのように展開していくのかを静かに見守ることになるだろう。そして現在、ウクライナのウシクを倒す方法を探ろうとジョーンズの知識を引き出そうとする現役の有力選手たちに対しても、かつての複数階級制覇王者である彼はその口を固く閉ざす構えである。
「自分が何をするつもりだったかはだいたい分かってるけど、それを説明する気はない。それは彼らが自分で見つけるべきことだからね。」