今年5月に行われたロランド・ロメロ戦でのライアン・ガルシアの判定負けは、これまでのところ2025年の中で最も衝撃的な結果のひとつとなっている。
試合前の予想では、ガルシアが“カスタムメイドの相手”であるロメロをノックアウトし、その後にデビン・ヘイニーとの再戦に進むというシナリオが有力視されていた。だが、その計画は一瞬で霧散した。
試合後、ガルシアは右手の手術を受けた。過去4年間で2度目となる。再起に向けて準備を進める
ガルシア(24勝2敗、20KO、1無効試合)は、再戦が実現すれば「今度こそロメロをねじ伏せる」と強く主張している。
「今、一番やりたい試合は
ロランド・ロメロとの再戦だ」とガルシアは『ザ・リング』誌のインタビューで語った。
両陣営はすでに再戦に向けた交渉を開始しており、事情に詳しい関係者によれば、早ければ今年12月にも実現する可能性があると『ザ・リング』誌は報じている。
「あの夜の自分は、本当の自分じゃなかった」とガルシアは語り続けた。「両手に問題を抱えていたし、1年のブランク明けだった。さらにトレーニングキャンプも変則的で、デリック・ジェームズとわずか4週間しか一緒に準備できなかった。観客も少なくて、雰囲気も違ってた。試合の2週間前には左手の指関節がひどく腫れていて、何をしても悪化する状態だった。ほとんど“手なし”で戦っていたようなもので、それでパンチがあまり出なかったんだ。
「こんなこと、今までの試合で一度もなかった。試合中もその現実を受け入れるのがつらかった。試合後に泣いたのは、負けたからじゃない。無力だったからだ。競争心のある人間にとって、それは本当に苦しいこと。正直、ロリーが攻めてこなかったのも驚いた。あの夜は、とにかく全部が変だった。完全にめちゃくちゃだったよ。」
ロメロが第2ラウンドにダウンを奪った場面を除けば、両者のウェルター級対決はほとんど見せ場がなかった。試合中に両者が合わせて放ったパンチ数はわずか490発で、これはCompuBoxが過去40年間で記録してきた12ラウンド戦の中で歴代3番目に少ない数字だった。ガルシアのヒット数は66発、ロメロは57発にとどまっている。
しかし、
万全な手の状態であれば、ガルシアはより積極的で重みのある攻撃を展開し、ロメロを打ち破るための修正された戦略で臨むつもりだという。
「再戦は、どちらが主導権を握って先に動くかがカギになる」とガルシアは語った。「ロリーは一度も本格的に攻めてこなかったし、そもそも俺たちはお互いにパンチ力があるから、常に変則的でやりにくい試合になるんだ。
でも次は、あいつに向けたプランがある。俺はそのプランで彼を踏み潰して、深いところまで沈めてやる。ロリーはプレッシャーとパンチを受けるのが苦手だし、インサイドの打ち合いも嫌がる。
アイザック・クルス戦で何が起きたか、見ただろ?
万全な状態の俺なら、ロリーをノックアウトできる。――それだけのことだ。」
ガルシアは、デビン・ヘイニーとの再戦が頓挫した後も、ここ数か月は前向きな姿勢を保っていると強調している。ロリー・ロメロとの再戦に加え、
テオフィモ・ロペスや
マニー・パッキャオとの対戦にも意欲を見せている。
「時には“目を覚まさせられる経験”が必要なんだ」とガルシアは語った。「俺がこれまでどれだけ多くの困難を乗り越えてきたかは、誰もが知ってるはずだ。正直、他の選手たちなら途中で投げ出してるだろう。批判の声も、俺を引きずり下ろそうとする連中のことも分かってる。でも、俺は戻ってくるし、みんなが間違っていたことを証明するのが楽しみで仕方ない。それが“チャンピオン”ってもんだよ。」
Manouk Akopyanは『ザ・リング・マガジン』の主任ライターである。 X (旧Twitter)およびInstagramでは@ManoukAkopyanで連絡可能。