堤麗斗にとって、スポットライトを浴びる舞台に慣れる時間など存在しなかった。
プロキャリアにおける最初の3戦すべてで、彼は大規模イベントのアンダーカードに名を連ねてきた。今回、彼が登場するのは、
サウル「カネロ」アルバレス対テレンス・クロフォード戦が行われるリングである。このビッグイベントは、ラスベガスのアレジアント・スタジアムで土曜日に開催され、Netflixで配信される(東部時間午後8時/太平洋時間午後5時)。
「最初の3試合すべてが、こんな大きなイベントになるなんて想像もしていなかった」と堤は通訳を通じて
『ザ・リング・マガジン』に語った。「とても興奮しているが、この瞬間とチャンスを楽しみたい」
堤のプロデビュー戦は、2024年5月2日、ニューヨーク・タイムズスクエアで行われた興行で、
レヴェール・ウィッティントン(1勝3敗1分、1KO)に6回判定勝ちを収めた一戦であった。この日のメインイベントは、ロランド「ローリー」ロメロがライアン・ガルシアに判定勝ちを収めた試合だった。堤の2戦目はさらに印象的な内容となった。代役として急遽出場したマイケル・ルイス(2勝8敗1分)を3度倒し、最終的に第2ラウンドでストップ勝ちを収めた。この試合は、2024年7月12日にニューヨークのルイ・アームストロング・スタジアムで開催された、
ハムザ・シェラーズがエドガー・ベルランガを5回TKOで下した試合のアンダーカードで行われたものであった。
今回、サウスポーの堤は、キャリア最大の試練に挑むこととなる。対戦相手はハビエル・マルティネス(7勝2敗、4KO)。彼はデビューから7連勝を飾ったが、直近2試合は連敗中である。試合は6回戦で組まれている。
堤麗斗(2勝0敗、1KO)、23歳は、このような厳しい相手との対戦が今後も続くことを望んでおり、できるだけ早い段階で世界タイトルに挑戦することを目標としている。
「ハードなスケジュールだが、7戦目から9戦目の間でチャンピオンに挑戦できたら理想的だ」と堤は語った。
早期のタイトル挑戦を実現できれば、それは実兄・堤駿斗と同じ道をたどることになる。駿斗(8勝0敗、5KO)は、わずか8戦で世界王座挑戦目前に迫っており、現在WBAで3位、IBFでは7位にランクされている。彼は直近の5試合すべてをストップ勝ちで終えており、2024年8月16日にはサウジアラビアで
カイス・アシュファク(13勝4敗1分、5KO)を3回TKOで下している。
「子どもの頃から、兄の駿斗に憧れていた」と麗斗は語る。「駿斗はアスリートとして、そしてボクサーとしてずっと僕に刺激を与えてくれている……でも今もボクシング界では兄をライバルだと思っている。どちらが先に頂点に立つかを競っているような感覚だ。もし2人ともチャンピオンになれたら、その経験を共有できるのは素晴らしいことだが、同時に僕らはお互いを意識して競っている」