呼びかけは次第に単調になり、ただただ鬱陶しいものになっていった。

テレビをつけても、スマートフォンを覗いても、、そこにはリチャードソン・ヒッチンスがレジス・プログレイスに対戦を呼びかける姿があった。

時にはプライドが刺激されることもあったが、プログレイスはそれを脇に置き、ほとんど無視してきた。怖がっていた？まったくそんなことはなかった。むしろ当時のプログレイスはWBCスーパーライト級の王者。一方のヒッチンスは、まだ階段を上っている最中だった。そして2025年となった今、状況は大きく変わっている。

プログレイスは現在、キャリア初の2連敗中で、もはや王座も持っておらず、めまぐるしく変化する同階級での発言力も失っている。一方のヒッチンスは、昨年12月にIBF王座を獲得し、先月には地元ニューヨークで初防衛に成功。今や立場は逆転し、両者の対戦は36歳のプログレイスにとって「完全に理にかなうもの」となっている。

「以前は、あいつが俺に提供できるものなんてなかった」とプログレイスは最近『ザ・リング』誌に語った。「でも今は、あいつが俺にとって意味のあるものを持っているんだ。」

ヒッチンスには豊富な選択肢があり、現実的に見て、もはやその中にプログレイスは含まれていない可能性が高い。ジョージ・カンボソス・ジュニアに8ラウンドTKO勝ちを収めた後、ヒッチンスは、元2階級王者デビン・ヘイニーや現WBO王者テオフィモ・ロペスとの対戦希望を改めて強調した。

いくつもの名前が挙がる中で、プログレイスは、2月15日に予定されていた復帰戦が肩の負傷で延期となった後、その回復を経て、対戦の市場価値を高めようとしている。6か月のブランクを経て、彼は8月2日にシカゴで行われるオスカー・ドゥアルテ対ケネス・シムズのアンダーカードで復帰する予定だが、対戦相手はまだ発表されていない。

その試合でしっかり勝利を収めることができれば、プログレイスこと“ルーガルー”は、ヒッチンスとの対戦がより現実味を帯びてくると考えている。とはいえ、現IBF王者に対する評価は、12年のキャリアを持つプログレイスの目にはいまだ厳しい。

「まあまあってところかな。“C級”ファイターだよ」とプログレイスは続けた。「自分をかなり高く評価してるようだけど、世界王者であっても140ポンドで一番とは言えない。普通のファイターだね。」