シェフィールド(イングランド)発──
パット・ブラウンは、今月末に渡米し、キャリア初の10回戦に臨むフェリックス・バレラとの対戦を前に、プロ転向後の成功した1年を締めくくろうとしている。
25歳のオリンピアンであるブラウンは、11月1日にオーランドで行われるマッチルーム主催の興行に出場することが先週発表された。この大会では、
ジョーダン・トンプソンのヘビー級デビュー戦と、オリンピック銅メダリスト、
オマリ・ジョーンズの復帰戦も行われる予定である。
ブラウン(4戦4勝、4KO)は、先月ベルファストで開催された
ルイス・クロッカー対パディ・ドノバン第2戦のアンダーカードで、格下のオースティン・ナンディをわずか2ラウンドで粉砕した後、自身のフラストレーションを隠さなかった。彼は、派手なKO勝利以上の実力を示すためにも、より手強い相手を求めている。マッチルームが彼を高く評価する理由を証明するためでもある。
マッチルームCEOのフランク・スミスも、エディ・ハーン同様にこのクルーザー級ボクサーへの期待を語った。
「パットは本当に素晴らしい。デイブ・アレンも彼とスパーリングして『本当の試合では彼のパンチを受けたくない』と言っていた。彼はトップまで行ける素材だが、正しい方法で育て、適切な相手と戦わせることが重要だ」とスミスは
『ザ・リング・マガジン』に語った。
「彼がこれまで相手にしてきた選手たちを見れば、誰も彼と戦いたがらないのも無理はない。純粋なパワーが違うんだ。それに彼は昔ながらのタイプで、熱狂的なファン層を持っている。オルトリンガムの試合では1,200枚以上のチケットを自ら売ったし、今後ステップアップしていく中で連続KOを見せれば、確実に注目を集める存在になる。
我々は彼をさらに成長させ、段階的にペースを上げていく必要がある。今回の10回戦の国際タイトル戦は、そのための重要なステップであり、非常にエキサイティングな試合になる。その後は、来年初めに彼を再びメインイベントに据えるつもりだ。」
その計画について問われると、ブラウンも同意した。
「待ちきれない。あと2週間ジムでしっかりトレーニングして、アメリカで準備万端で臨む」とブラウンは語った。「ベルファストの試合から2週間後にオファーを受けた。アメリカでの試合は確定していなかったが、バーミンガム大会も候補にあった。でもこの話が来た瞬間、迷わず掴んだ。」
ブラウンは、今年マッチルーム所属の英国拠点ボクサーとして3人目の米国カード出場者となる。6月にはブライトン出身のスーパーバンタム級有望株
アダム・マカが
リチャードソン・ヒッチンズ対ジョージ・カンボソスのアンダーカードで米国デビューを果たし、わずかな時間で勝利を収めた。
さらに先週末には、ジュニアライト級の新星ジョルジョ・ヴィジオリ(9勝無敗、6KO)が、
ジャロン・エニス対ウィスマ・リマ戦のアンダーカードでジェームズ・ウィルキンスに8回フルマークの完封勝利を挙げており、22歳のサウスポーにも大きな期待が寄せられている。
ドミニカ共和国出身のベテラン、フェリックス・バレラ(24勝8敗、21KO)は、2016年5月に当時6戦全勝だった
ドミトリー・ビボルに判定負けして以来、ライトヘビー級およびクルーザー級で多くの強豪と拳を交えてきた。
175ポンド級の『The Ring』誌および統一王者との戦いのほか、サリバン・バレラ、マキシム・ブラソフ、アレクセイ・パピン、ミハウ・チスラクといった元タイトル挑戦者たちとも対戦している。ブラウンは、そんな相手こそ実戦経験を積むのに最適だと感じている。
「彼の試合映像を少し見た」とブラウンは話す。「経験豊富で危険な相手だ。パワーもあるが、何より俺にラウンド経験を積ませてくれる存在だ。今の俺にはそれが必要なんだ。彼は間違いなくその役を果たしてくれると思う。
世界中を転戦してアマチュアとして最高レベルの相手と戦ってきたから、こうした舞台には慣れている。大男同士の真っ向勝負だが、今回は注目している観客も多い。それこそがこの試合の醍醐味だ。
マンチェスターにビッグファイトを持ち帰りたい。デビュー戦のように、自分がメインを張って会場が熱狂するような夜を再び作りたい。それが俺の目指すところだ。」