ラスベガス発 —— ショーン・ギボンズは、2021年8月に自らが支持した決断を今も後悔している。
マニー・パッキャオ・プロモーションズの代表であるギボンズは、あの時
エロール・スペンス・ジュニアの代役として
ヨルデニス・ウガスを承認したことが大きな過ちだったと認めている。
当初、
パッキャオはT-モバイル・アリーナで行われるウェルター級統一戦でスペンスと対戦する予定だったが、スペンスが網膜剥離により離脱。その代役としてキューバ出身のウガスが急遽起用された。
試合決定当時、ギボンズはマッチメイクの豊富な経験を持つボクシング業界のベテランとして、右構えのウガスのスタイルが、サウスポー対策を2カ月近くかけて進めてきたパッキャオにとって不利であることを理解していた。それにもかかわらず、ウガスは12ラウンド判定勝ちでパッキャオを下し、フィリピンのスーパースターは5週間後に政界進出のため引退を発表した。
「シンプルな話だ」とギボンズは『ザ・リング・マガジン』に語った。「当初の対戦相手は身長178cmのサウスポー。それが突然、クソみたいなタコのような動きをする相手に変わったんだ。パッキャオにとって最悪のスタイルだった。
俺たちはギャンブルに出て、蛇の目を出してしまった。完全に間違った選択だったし、自分自身を責めている。マニーは『試合は続けなければならない』と言った。それが彼という男だ。でも、あれは明らかにミスだった。だからこそ、今回の勝利で挽回したいと思っている」
ここMGMグランド・ガーデン・アリーナは、2015年5月の待望のフロイド・メイウェザー戦を含め、伝説的な存在であるマニー・パッキャオの数々の重要な試合が行われてきた会場である。現在46歳のパッキャオにとって、WBCウェルター級王者
マリオ・バリオスとの12回戦は、2021年8月にウガスに敗れて以来の初戦となる。
パッキャオの年齢と長期の実戦からの離脱は、サンアントニオ出身のバリオスを多くのブックメーカーにおいて3対1のオッズで有利とさせる要因となっている。しかしながらギボンズは、今回のトレーニングキャンプで、2019年7月に当時無敗だった
キース・サーマンをダウンさせ、元WBA/WBCウェルター級王者にスプリット判定で勝利した当時40歳のパッキャオに匹敵する姿を目にしたと語っている。
「ルーカス・マティセ戦(2018年7月)以降で最も『ヴィンテージ・パッキャオ』らしいマニーを見た」とギボンズは語った。「マティセ戦、ブローナー戦、サーマン戦、ウガス戦と同様の動きだった。ウガス戦も悪くなかった。
理解してほしいのは、相手のスタイルが最悪だったということ。どのスタイルよりも厄介だった。それでも接戦だった。だから『ヴィンテージ』というのは、過去8、9年の中でのマニーを指している。今でも非常に強く見える。自分の目には、まるで時空の歪みからそのまま出てきたかのようなマニー・パッキャオがそこにいた」
今回のバリオス戦に向けたキャンプは、ウガス戦とは全く異なる仕上がりになっている。
「
ウガス戦の準備は最悪だった」とギボンズは振り返る。「今回は110%完璧だ。ケガもない、ふくらはぎの痙攣もない。休むべき時にしっかり休み、自分の身体の声に耳を傾け、7週間で必要なことを全てこなしている」
「ジムで見た姿がリングで再現されることを願っているよ。もしスピードが落ちていたり、パワーがなかったら心配していたはずだ。でも、今は全く心配していない」
パッキャオ(62勝8敗2分、39KO)とバリオス(29勝2敗1分、18KO)は、
4試合構成のプレミア・ボクシング・チャンピオンズ(PBC)によるペイ・パー・ビュー(PPV)興行のメインイベントを務める。試合は東部時間午後8時(太平洋時間午後5時)開始予定で、アメリカ国内のすべてのケーブルおよび衛星テレビ事業者を通じて79.99ドルで購入可能である。
Keith Idecは『ザ・リング』のシニアライターおよびコラムニストである。X(旧Twitter)@idecboxingで連絡可能。