Prime Video Japanのヘッド・オブ・コンテンツである石橋陽介氏は、11月24日に開催される
那須川天心―井上拓真の興行が2週間前に正式発表された際、「ほかにもワクワクする対戦がある」と予告していたが、本日、帝拳プロモーションが発表したアンダーカードはまさに期待通りの内容となった。
東京開催のセミファイナルでは、日本のサウスポー
中野幹人(14勝0敗13KO)が、アメリカの
レイース・アリーム(22勝1敗12KO)と対戦。世界王者
アンヘロ・レオの次期指名挑戦者を決めるIBFフェザー級挑戦者決定戦(12回戦)となる凱旋マッチだ。
IBFランキングでは、アリームが5位、中野はその2つ下の7位にランクされている。
大会は日本のトヨタアリーナで行われ、国内ではPrime Videoが独占配信。米国およびその他の地域の放送局は本稿執筆時点で未定となっている。
中野は2018年にプロデビュー。名門・後楽園ホールのリングで地道にキャリアを積み重ね、2024年9月にはブリックス・ピアラを4回KOで下し、空位のOPBF王座を獲得した。
翌年初戦では初防衛戦で花房弘樹を3回TKO。5月には井上尚弥―ラモン・カルデナス戦のアンダーカードで国際舞台を経験し、8月2日にはジン・アグアンを2回で仕留めて勢いを維持している。
次なるステップとして待望の大一番が到来。ここ数週間で世界タイトルへの道筋がさらに鮮明になっており、中野にとってキャリア最大の挑戦となる。
アリームは中野より5歳年上で、2011年にプロ入り。無敗のままキャリアを積み上げ、徐々に大舞台へと進出してきた。
2021年1月には無敗対決でビック・パシーリャスを11回TKOで下し勢いをつけた。その後、エドゥアルド・バエス(判定2-1)、マイク・プラニア(判定3-0)を撃破。しかし2023年6月、敵地オーストラリアで
サム・グッドマンにスプリット判定(12回)で惜敗した。
ミシガン州出身のアリームは約18カ月のブランクを経てフェザー級で再起し、10回戦の判定勝ちを2試合重ねた上で今回の大舞台に臨む。
一方、急成長を遂げる日本のジュニアバンタム級有望株・坪井智也(2勝0敗1KO)は、元世界王者
カルロス・クアドラス(44勝5敗1分28KO)との10回戦で大きなステップアップを果たす。
坪井はアマチュア時代に輝かしい実績を誇り、2021年世界選手権で金メダルを獲得。昨年のパリ五輪出場は最終予選で惜しくも逃した。
29歳の坪井はプロデビュー戦でブンルアン・パヨムを2回TKO。続く3カ月後には大幅なランクアップを果たし、ヴァン・タオ・チャンに10回判定勝ちを収めた。
The Ringのジュニアバンタム級ランキングで3位のクアドラスもまた、優れたアマチュアキャリアを持つ。2008年にプロ転向後、「プリンシペ」は29連勝を重ね、スリサケット・ソー・ルンヴィサイ(8回負傷判定)を破ってWBC王座を獲得。6度の防衛後、2016年にローマン・ゴンサレスに12回判定で敗れた。
その後、フアン・フランシスコ・エストラーダ(判定0-3、TKO11)に2敗を喫し、The RingのP4P6位
ジェシー“バム”ロドリゲスにも判定で敗北している。
しかし37歳のメキシコ人ベテラン、クアドラスは再び火を吹き、2023年11月に同胞ペドロ・ゲバラをスプリット判定(12回)で下して復活。その後も2連勝を飾り、勢いを維持している。
さらにバンタム級では、増田陸(8勝1敗8KO)がホセ・カルデロン(14勝2敗6KO)との10回戦で国際的な舞台に挑む。
増田は2022年7月にプロデビュー。2023年8月、日本王座決定戦で将来のWBA王者筒美聖也(判定3-0)に僅差で敗れたが、その後、元世界挑戦者サルタン・ジョナス(TKO1)を破り、日本王座を奪取して2度防衛。2025年6月8日にはミッチェル・バンケスを初回KOで粉砕した。
一方のカルデロンは18歳でメキシコでプロデビュー。序盤にグスタボ・ペレス(判定0-3)とユデル・レイエス(TKO8)に敗れるも、その後着実に成長。現在7連勝中だ。
22歳のカルデロンは、2023年11月に元WBCバンタム級王者アレハンドロ・サンティアゴ(判定2-1)を破り、2024年7月12日にはゴーハン・ロドリゲスにスプリット判定(8回)で勝利している。
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