【サウジアラビア・リヤド】 パウンド・フォー・パウンドのスターである
井上尚弥は、今週土曜日、モハメド・アブド・アリーナにて、メキシコのアラン・ピカソを相手に、スーパーバンタム級の4団体統一王座および『The Ring』誌王座の防衛戦に臨む。これが井上にとって、今年4度目の試合となる。
この12回戦は、サウジアラビア・リヤドで開催される注目イベント「
Ring V:Night of the Samurai」のメインイベントとして行われる。
32歳の井上(31勝無敗、27KO)は、今年に入り、キム・イェジュンを4回KO、
ラモン・カルデナスを8回TKOで下した後、9月には
元統一王者ムロジョン・アフマダリエフを判定で下した。今回がリヤド・シーズン初参戦となる“日本の武士”は、同胞のトップファイターである中谷潤人とのスーパーファイトの話題が加熱する中、この一戦に極めて真剣に取り組んでいる様子である。
「(中谷のことは)ずっと頭の中にあったが、今ここ(リヤド)にいる以上、集中力と意識はすべてピカソに向けている」と井上は火曜日のグランド・アライバルズで語った。「(テレンス・クロフォードの引退を受けて)パウンド・フォー・パウンド王者にふさわしい素晴らしい試合を計画していきたいと思っている」
ピカソ(32勝0敗1分、17KO)は現在、122ポンド級で『The Ring』誌のランキング4位に位置している。直近の試合では、7月に亀田京之介を相手に苦戦を強いられながらも、10回戦のマジョリティ・デシジョンで勝利を収めた。25歳のプレッシャーファイターであるピカソは、2024年8月からWBCの指名挑戦者として待機しており、今回が初の世界タイトル挑戦となる。
「この時を長く待ってきたし、本当に良い準備ができた」とピカソは語った。「自分は一番強い選手でも、一番速い選手でもないかもしれない。でも、今は精神的にとても強い。家族の支えを受けながら、この試合に向けて準備してきた。やれると思っている」。『ザ・リング・マガジン』は、この試合を前に分析を行い、最終的な勝敗予想を提示する。
井上尚弥対アラン・ピカソ 試合予想
この一戦において、ピカソがオッズ+1400の大穴と見なされていることは、決して恥ずべきことではない。明確な例外である中谷を除けば、ほぼすべてのスーパーバンタム級ファイターが、“モンスター”を倒す可能性は限りなく低いと評価されるだろう。
ピカソは質の高い選手であり、多くの武器を持っている。挑戦者は身長で3インチ(173cm対165cm)、リーチで2.5インチ(約178cm対約171cm)のアドバンテージを有している。さらに王者より7歳若く、その点を活かしたいところである。
多くのメキシコ人ファイターと同様、ピカソは攻撃的で手数の多いパンチャーであり、そのスタイルはDNAに刻まれている。アウトボクシングも効率よくこなすことはできるが、基本的にはジャブで距離を詰め、ミドルから近距離でフックやアッパーを繰り出す戦いを好む。その距離では非常に厄介な存在であり、パンチのバリエーションも優れている。
しかし、それを井上相手に機能させるのは容易ではない。王者が距離を保つ戦いを選択した場合、ピカソがアウトボクシングで上回る展開は想像しにくい。スピード、技術ともに井上が圧倒的に上である。一方で、ピカソが近距離に入り込むことができたとしても、これまで経験したことのないような苛烈なカウンターパンチを浴びる可能性が高い。
このスタイルは、井上にとってお膳立てされたようなものであり、結果は井上がどのように勝ちたいかに左右されるだろう。“MJ”ことアフマダリエフ戦では、将来の殿堂入りが確実視される井上が、卓越した技術とムーブメントを披露し、12ラウンドにわたってウズベキスタン人ファイターを翻弄した。もし同様の戦い方を選べば、キャリア初となる連続判定決着もあり得る。
だが、筆者はそうは見ていない。中谷という大一番が控えていることを考えれば、井上は明確な意思表示をしたいはずである。必然的にピカソは距離を詰める必要に迫られ、多くの場面で打ち負ける展開になるだろう。ダメージが蓄積していく中で、終盤にレフェリーストップがかかる可能性が高い。ダウンが複数回見られても不思議ではない。
予想:井上尚弥 10回TKO勝ち