妄想では成功をつかめない。ビジネスでも、人生でも、そしてもちろんボクシングでも。
セルヒー・ボハチュクは、タイトル挑戦の瀬戸際に立っている。スーパーウェルター級でWBCランキング1位に位置し、
セバスチャン・フンドラと対戦する日も近いかもしれない。
活動を休むことが良いとは言えないが、選手によってはポジションを失うリスクを避けるために、あえて試合を控えることもある。ただし、セバスチャン・フンドラのように異常なほど背が高く(身長は約197センチ)、スーパーウェルター級としては稀有な資質を持つ選手にとっては例外だ――マイカル・フォックスを除けば。
フォックスは、フンドラと同様に身長が高いため、セルヒー・ボハチュクにとっては、フンドラ対策として戦う意味のある相手だった。土曜夜、カリフォルニア州コマースのカジノで満員の観衆を前に、両者は拳を交えた。
10ラウンドの中で、ボハチュク(26勝2敗、24KO)は随所で優勢に立ったが、決定的なインパクトを残す試合にはならなかった。勝利こそ収めたものの、ボハチュクは課題を持ち帰り、再び自らのスタイルを練り直すことになる。
「この試合を通じて、もっとスピード、もっと頭脳、もっと動きが必要だと学んだ」とボハチュクは『Not Just Boxing』に語った。
ボハチュク自身、改善すべき点は多いと感じている。フォックスは攻撃にはあまり出なかったが、絶え間ないフットワークによってボハチュクに腰を据えて打たせる隙を与えなかった。
さらにボハチュクは、自分自身が鈍く、切れのない動きをしていたと感じている。それはフォックス戦では致命傷にならなかったが、フンドラやサンダー・サイヤスとの試合、あるいはバージル・オルティス・ジュニアとの再戦となれば、同じようにはいかないだろう。
そうした問題を避けるためにも、今後は手数とパンチ全体のスピードを上げる必要がある。
「もっとスピードが必要だ。パンチを待っている場合じゃない」とボハチュクは言った。