元WBA世界フェザー級王者の
マウリシオ・ララが、メキシコ・シウダー・フアレスで行われた10回戦のジュニアライト級戦で、
ミゲール・ローマンを初回TKOで下す。
試合前は、
激しい撃ち合いになることが予想されていたが、12歳年下のララはそんな展開を待つつもりはなかった。
ララ(29勝3敗2分、22KO)は初回中盤、鋭い右ストレートをヒットさせ、ローマンをダウンさせる。ローマンはカウント3で立ち上がるが、ララはチャンスを逃さず攻勢を強める。
ララは完璧なタイミングの左フックを決め、ローマンをロープ際に追い込む。さらに強烈な左フックを連打し、ローマンは必死にガードを固めるも明らかにダメージを受けており、豊富な経験を頼りに嵐をしのごうとする姿が見られた。
しかしその抵抗もむなしく、ローマンは再び左フックを浴びて後退。残り55秒の時点でレフェリーが試合を止め、無慈悲なまでの初回ストップとなった。
ローマン(71勝15敗、51KO)は「もし敗れたら引退する」と宣言していたが、その言葉どおりとなった。二度の世界タイトル挑戦経験を持つベテランは、再起を狙う元王者ララの勢いの前に何もできないまま終わってしまった。
この勝利でララは、層の厚いジュニアライト級で再びビッグファイト線に返り咲く可能性を手にする。
彼はもともと無名のアンダードッグとして英国で名を上げた存在であり、2021年2月には当時無敗だった元IBF王者
ジョシュ・ウォーリントンをダウンさせ、衝撃のストップ勝ちを収めて世界に名を轟かせた。
7か月後の再戦は不完全燃焼のまま幕を閉じたものの、ララはその勢いを活かしてマッチルームとの契約を勝ち取り、3大陸で計5度のプロモーション興行に出場するまでに躍進した。
この処分は昨年の
リー・ウッドとの再戦時に遡って適用されており、ララは2026年3月に出場資格を回復する見込みだ。ただし、メキシコ国外での試合復帰には正式な許可が下りるまで待つ必要がある。