マニー・パッキャオが国際ボクシング殿堂入りを来月に控える中、約4年ぶりの現役復帰を果たし、7月19日にWBC世界ウェルター級王座を懸けて現王者
マリオ・バリオスと対戦する。
この情報は
ESPNの報道によるもので、関係者が同試合がラスベガスで開催されるPBC on Prime Videoの年間第3回PPVイベントのメインを飾ると認めている。同大会ではセバスチャン・フンドラ対ティム・チュー第2戦もセミファイナルとして行われ、TGBプロモーションズが再び主催を務める。
パッキャオ(62勝8敗2分、39KO)は2019年に無敗の王者キース・サーマンをダウンさせた上で判定勝ちを収め、最後に世界タイトルを獲得した。今回、6年の時を経て、若くしてもろさのあるバリオス(29勝2敗1分、18KO)との対戦で再びその栄光を目指す。
元フィリピン上院議員でもあるパッキャオは、2016年から2022年までの6年間の任期を終えた後、再選を目指しており、選挙は今週月曜日に行われた。正式な試合発表は、来週選挙結果が確定した後になる見通しである。
パッキャオのアドバイザーでありプロモーション会社の代表でもあるショーン・ギボンズ氏は、
先月『ザ・リング・マガジン』の取材に対し、投票結果の後にパッキャオが現役復帰の可能性を再検討すると述べていた。今回の発表は、そうした再検討のプロセスが早まった形である。
この現役復帰の話題は2024年後半から囁かれており、7月にRIZINのフェザー級王者・鈴木千裕との3ラウンドのエキシビションマッチを控えていた頃から再浮上していた。事実上の調整試合として行われたこの試合で、パッキャオの動きや実力が評価され、年内にバリオスと対戦する可能性が噂されていた。
バリオスは昨年11月16日、アベル・ラモスとの12ラウンド戦でアップダウンの激しい展開の末、スプリット・ドロー(判定1-1)となり、王座を防衛した。非公式ながら調整試合として評価されたパッキャオのエキシビションを踏まえ、当初は年末にバリオス戦が計画されていたが、それがこの形で前倒しとなった形である。
バリオスはThe Ringによるウェルター級ランキングで3位に位置しており、近年は試合間隔が空くことも多く、2022年2月にキース・サーマンに判定負けを喫して以降、試合数はわずか4試合にとどまっている。なお、その前年にはジャーボンタ・デービスにもTKO負けを喫しており、それは11ラウンドでの敗戦であった。彼はわずか8か月の間に二つの敗北を経験している。バリオスもまたパッキャオ同様、キャリア初期は軽量級出身であり、2013年にスーパーバンタム級でプロデビューした。
パッキャオ(45歳)は、2021年8月に元WBA王者ヨルデニス・ウガスとの接戦の末、判定負けを喫して以降、プロとしてのキャリアを一旦終えた。
本来は同日、エロール・スペンス・ジュニアとの対戦が予定されていたが、スパーリング中の網膜裂傷によりスペンスが欠場。急遽、キューバ人のウガスが10日前の代役として出場し、勝利を手にした。
パリ五輪への特別出場枠を目指すも実現せず、8階級制覇王者であるパッキャオの闘志はいまだ健在である。
昨年夏、彼は「まだまだ試合に対する情熱は残っている」と語り、現役から遠ざかっていたことが逆に肉体の回復に役立ったと語っていた。頻繁なトレーニングと試合で蓄積されるダメージを避けられたことが、長期的にはプラスに働いたという。