カナダ・ケベックシティ発──元ミドル級王座挑戦者の
マチエイ・スレッキは、今年2月にカザフスタンへ渡り、アリ・アフメドフと対戦した。当初は地元選手の踏み台として扱われ、アフメドフが次のステップへ進むための相手と見なされていた。
しかしスレッキは、その筋書きを覆した。試合を通じてアフメドフを圧倒し、最終ラウンドでストップ勝ちを収めたのである。キャリア最高の勝利となったこの一戦により、スレッキは金曜日にケベックシティのビデオトロン・センターで行われる空位のWBCスーパーミドル級暫定王座戦──
クリスチャン・ムビリとの対戦のチャンスを手にした。
番狂わせを狙うポーランドのスレッキは、WBCランキング7位に位置しており、前戦に続いてさらなるステップアップを目指している。
「自分にとってこの試合は大きな名誉。素晴らしい戦いに向けて準備はできている。良いキャンプを積み、優れたスパーリングパートナーとも練習してきた」と、スレッキ(33勝3敗、13KO)は水曜日の記者会見で語った。「クリスチャン・ムビリのことはよく知っている。彼はいいファイターで、とても強くてアグレッシブ。時にリング上で荒々しい一面も見せるが、オレにはリングで何をすべきか分かっている。準備はできている」
ムビリはスーパーミドル級(168ポンド)の有力選手として高く評価されており、
トゥルキ・アル・シェイクもその名前を挙げている。アル・シェイクは、ムビリが9月に予定されているカネロ・アルバレス対テレンス・クロフォードの超ビッグマッチのアンダーカードに起用される可能性、あるいは秋の別イベントへの出場候補としても注目している。
「今、彼にとって最も重要な試合はオレとの一戦になる。彼にとって非常に厳しい試合になるだろう」とスレッキは警告した。「誰だって好きなことを言えるし、彼に対していろんなプランを立てることもできる。でも彼が実際に戦うのはオレだ。そう簡単にはいかない」
36歳のポーランド人ファイターであるスレッキは、2010年にプロデビュー。無敗だったヒューゴ・センテノ・ジュニア(10回TKO)や元世界王座挑戦者ジャック・クルカイ(10回判定)に勝利している。
初の12回戦となったWBA世界ミドル級挑戦者決定戦では、元世界王者ダニエル・ジェイコブスに判定で敗れ、プロ初黒星を喫した。
その後は復帰戦でベテランのゲイブ・ロサドに判定勝ちを収め、続いて当時のWBO王者デメトリアス・アンドラーデに挑むも、再び判定負け。さらに4連勝を挙げて再浮上を果たしたが、昨年8月には新鋭ディエゴ・パチェコに6回TKOで敗れている。
多くの人々は、スレッキがそのまま静かにキャリアを終えると予想していたが、本人は違う考えを持っており、アフメドフを驚かせる番狂わせを演じた。そして4か月後の今、ムビリに対しても同じことを狙っている。
「彼はまだボクシング界で大きな名前とは言えない。だから有名な名前の相手と戦ってきていない」とスレッキは語った。「もし代償を払わなきゃいけないなら払う覚悟はあるが、そうはならないだろう。様子を見ようじゃないか」
ザ・リング・マガジンでスーパーミドル級1位にランクされているムビリは、2016年のリオ五輪でフランス代表として出場し、準々決勝で最終的な金メダリストのアルレン・ロペスに敗れた。その後カナダへ移住し、市民権を取得。プロとして着実に階段を上り、ランキングを駆け上がってきた。
全試合アクション満載のムビリ(30歳)は、元世界挑戦者ナジブ・モハメディに5回KO勝ち、カルロス・ゴンゴラとは激闘の末に判定勝利(10回)、ローハン・マードックを6回終了TKOで下し、直近では昨年8月17日に元3度の世界挑戦者セルゲイ・デレビヤンチェンコに判定勝ち(10回)を収めている。
ムビリ対スレッキ戦およびアンダーカードは、金曜日午後6時(米東部時間)よりESPN+で配信される予定。
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