ルイス・クロッカーは、パディ・ドノバンとのIBFウェルター級世界タイトル再戦で勝利を手にするには、自身のキャリア最高のパフォーマンスが必要になることを理解している。

3月1日に行われた初戦では、ドノバンが試合を支配し、第8ラウンド終盤にはダメージを負ったクロッカーを倒した。

ベルファストのSSEアリーナが騒然とする中、ドノバンはラウンド終了のゴングが鳴った後もパンチを続け、強烈な右フックをクロッカーに浴びせて再び倒した。

この行為により、ドノバンは失格処分となり、流血するクロッカーが反則勝ちとして勝者と宣言された。再戦は避けられない展開となり、今回はその重要度がさらに増している。

9月13日、両者は再びベルファストで拳を交える。今回はウィンザー・パークに約2万人の観客が詰めかける予定であり、勝者がIBF王者としてリングを去ることになる。初戦で勝者と宣言されたにもかかわらず、クロッカーは今回、圧倒的なアンダードッグとしてリングに上がる。

「勝利だと感じたか？あの夜は全くそうではなかった」とクロッカー（21勝無敗、11KO）は、Matchroomの番組『Make The Days Count』で語った。

「そこに誇りは一切なかった。かといって、負けたとも感じなかった」

試合終了間際の最後のパンチは、それ以来ずっと見出しと議論を独占してきたが、あの激戦は序盤から物議を醸していた。

両者はすぐに荒々しく接近戦に突入し、クロッカーはドノバンの強打を多く浴びながらも、複数の反則を受けた。リムリック出身のドノバンは、頭を使った攻撃で2ポイントを減点されている。

SSEアリーナの廊下が混乱に包まれる中、クロッカーは医務室で頭突きや肘打ちによってできた傷のため、22針を縫う処置を受けていた。

時間が経つにつれ、彼はすぐに「再戦は不可避」と判断した。

「もしパディとの再戦がなければ、あの夜のことをずっと引きずると思った。それだけに、この試合は絶対に実現させなければならなかった」と彼は言う。

「正直に言えば、翌朝、最初にマネージャーに電話してこの再戦を組んでくれと頼んだ。それが最初の行動だった」

「今回は、過去の誤りを正すもう一つのチャンスだ。この試合に勝つためには、人生最高のパフォーマンスを見せなければならない」

初戦前、両者ともに世界トップレベルで通用するかどうかに疑問があり、どちらが勝つかについて世論も割れていた。

公式記録上では、ドノバン（14勝1敗、11KO）は初黒星を喫したが、26歳の彼はそれまで見せてこなかった能力を披露し、観る者を驚かせた。彼はクロッカーよりも優れたボクサーであることを証明し、さらにフィジカルとタフさでも互角に渡り合った。

クロッカーは自分の距離やタイミングを見つけられなかったが、彼が放った重く強烈なパンチも、ドノバンにあまりダメージを与えていないように見えたことは、ベルファストの男にとって懸念材料である。

実際にリング上で何が起こっていたかを正確に知っているのは、クロッカーとドノバンだけだが、クロッカーは、9月13日にIBF王者になるためには全く別人のようなパフォーマンスが必要であることを理解しているようだ。

「どんな相手だろうと、俺は常に相手の首を獲りにいく。あの夜、リングに上がったら、彼に対する愛情なんて一切ない」と彼は言った。

「もし彼が3月に戦った時と同じ俺を想定して準備しているなら、とんでもない衝撃を受けることになるだろう」