ジェームス “ジャザ”・ディッキンズは、今週末に英国で4人目の現役男子世界王者として戴冠することになる。
土曜夜、
ラモント・ローチはメキシコのWBC暫定世界スーパーライト級王者
アイザック・クルス(28勝3敗1分、18KO)に挑むべく、スーパーライト級デビュー戦を迎える。会場はテキサス州サンアントニオのフロスト・バンク・センターだ。
140ポンド級への転向は、メリーランド出身のローチにとって新たな刺激的章の始まりとなる一方で、これまでの成功したキャリアの1ページに幕を下ろすことにもなる。
初回のゴングが鳴った瞬間、ローチ(25勝1敗2分、10KO)は、2023年11月にヘクター・ガルシアを下して獲得したWBA世界スーパーフェザー級王座を失うことになる。
暫定王者ディッキンズ(36勝5敗、15KO)は、その瞬間に正規王者へと昇格する。
彼はこれで、WBO世界ヘビー級王者
ファビオ・ワードリー、IBF世界ウェルター級王者
ルイス・クロッカー、WBA世界フェザー級王者
ニック・ボールと並び、英国の現役世界王者に名を連ねることになる。
34歳のリバプール出身ディッキンズは、12月27日にサウジアラビア・リヤドで開催される Ring V: Night of the Samurai で、
筒見勇斗(8勝0敗、5KO)を相手に初防衛戦に臨む。この大会はDAZN独占配信となる。
7月、ディッキンズは
ロシアの無敗を誇ったアルベルト・バティルガジエフを力でねじ伏せ、4ラウンドのワンサイドで暫定王座を奪取した。
ディッキンズの歩みは、まさに忍耐の物語である。
2016年、ディッキンズは英国レベルから大胆な飛躍を遂げ、世界最高のスーパーバンタム級戦士、キューバの傑物
ギジェルモ・リゴンドーとリングに上がった。
大番狂わせを狙ったディッキンズの希望は、2回に顎を骨折して棄権を強いられ、残酷な形で打ち砕かれた。
そこから再びチャンスが巡ってくるまで、実に5年を要した。しかしその舞台で、ディッキンズはIBF世界フェザー級王者キッド・ガラハッドに主導権を握らせたまま11回でストップされた。
この敗北は大きな代償となった。ディッキンズは表舞台から外れ、復活の道のりは険しく、多くは“頂点を争う日々は終わった”と考えた。
彼はマイナー世界フェザー級タイトルを獲得したものの、2023年7月には計量との激闘の末、メキシコのヘクター・ソーサに王座を明け渡した。
しかし、スーパーバンタム級へ階級を上げ、ドバイのThe Golden Ring Boxing Gymでアルベルト・アイラペティアンのもとに身を寄せたことで、ディッキンズのキャリアは息を吹き返した。
2月には
マンチェスターのゼルファ・バレットを破る番狂わせを演じ、さらにバティルガジエフ戦では過去最高の出来とも言える内容でアウトボクシングし、ストップ勝利を収めた。
そして今、彼は2025年を“正式な世界王者”として、大舞台でタイトルを守って締めくくることになる。