4階級制覇王者の田中恒成は、今年6月にボクシングからの引退を発表した。

日本を代表する名選手である田中は、キャリアを通じて何度も目の手術を受けてきた。2024年10月のプメレラ・カフ戦（判定2-1）後に手術を受け、復帰を目指していたが、視力への影響が残ったままだった。そのため、視力を完全に失うリスクを避けるため、苦渋の決断で引退を選んだ。

30歳の田中は、引退後も非常に意欲的で、むしろ現役時代よりも忙しくしており、活動のペースを落とすつもりはないという。

「アパレルブランドRSCプロダクツと協力して、毎月ボクシングイベントを企画している」と田中は通訳を通じて『ザ・リング』誌に語った。「試合の解説や講演、ラジオパーソナリティの仕事もしているよ。」

「12月末から1月の間に、自分の最初のボクシングジムをオープンする予定なんだ。今後はジムの運営に力を入れていくつもり。最終的には100軒のボクシングジムを開きたいと思っている。」

多くの人なら、ミニマム級、ライトフライ級、フライ級、スーパーフライ級で世界タイトルを獲得しただけで十分満足するだろう。だが田中恒成は、自分はまだリングの上でさらに多くを成し遂げられたはずだと感じており、次のステージでも成功を収めたいと考えている。

「正直、悔しい気持ちがある。5階級制覇と統一王者になるという自分の最低限の目標を含めて、達成できなかったことがたくさんある」と彼は語る。「でも、挑戦はまだ終わっていない。これからはビジネスの世界で努力していくと決めた。」

田中は、自分の歩んだ道が他の人の模範となるようなレガシーを残したいと考えている。

「僕の試合を見てくれた人たちに、何かを感じてもらって、笑顔になってもらいたい」と彼は言う。「“元世界王者”という肩書きだけじゃなく、新しい称号で呼ばれるようになりたい。」

「引退しても、自分の生き方そのものは変わらない。舞台が変わっても、人生の歩み方は同じなんだ。」

質問・コメントは Anson（[elraincoat@live.co.uk](mailto:elraincoat@live.co.uk)）まで送り、Xでは @AnsonWainwr1ght をフォローする。